年金積立金の運用資産は156兆円（前年比＋10.8兆円）

　
　2018年7月6日、独立行政法人年金積立金管理運用（ＧＰＩＦ）が、平成29年度の年金積立金の運用状況を公表しました。

平成29年度業務概況書｜ＧＰＩＦ
www.gpif.go.jp/operation/state/pdf/h29_q4.pdf

　運用パフォ－マンスは、収益額が＋10兆810億円、収益率が＋6.90％と、非常に良好でした。運用資産額も一年前の144兆9,034億円から、156兆3,832億円へと大きく増やしました。

　前年度は収益額が＋7.9兆円、収益率が＋5.86％だったので、2年連続で好調を維持したことになります。前々年度はマイナスだったため、各所から様々な批判を受けましたが一安心です。なお、マイナス金利の状況下、ある程度リスクを取った結果ですが、年によってはマイナスになっても仕方がないと考えます。

　収益率の明細を見ると、株式が好調でしたし、債券もプラスと、文句のない結果となりました。
　

項目	収益額	収益率
国内債券	＋3,622億円	＋0.80%
国内株式	＋5兆5,076億円	＋15.66%
外国債券	＋6,740億円	＋3.71%
外国株式	＋3兆5,140億円	＋10.15%

　運用資産の構成割合は以下の通りです。
　

項目	資産額	構成割合
国内債券	44兆5,178億円	27.50%
国内株式	40兆6,995億円	25.14%
外国債券	23兆9,109億円	14.77%
外国株式	38兆6,629億円	23.88%
短期資産	14兆　844億円	8.70%

　国内債券は構成割合（27.50%）と最も多いのですが、前年（31.85%）から4%以上下がりました。代わって伸びたのがその他の資産で、国内株式は「23.28%→25.14%」、外国債券は「13.03%→14.77%」、外国株式は「23.12%→23.88%」となっています。この調子では、平成30年度は、国内株式が国内債券を上回るかもしれません。

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