世界所得水準ランキング2017年（OECD:35ヶ国＋3ヶ国）

　
　経済協力開発機構（OECD）は加盟国に関する様々な統計データを取得しています。今回はその中から所得にまつわる興味深いデータについて紹介します。

【追記】（2020-01-04）
　最新版の世界所得水準ランキングを公開しました。

世界所得水準ランキング2022年6月現在（日本は41ヶ国中21位）

 最速資産運用 ma-bank.net 2022/06/24更新

経済協力開発機構（OECD）は加盟国に関する様々な統計データを取得しています。今回はその中から所得にまつわる興味深いデータについて紹介します。 所得総合ランキングOECD Better Life ..

　

所得総合ランキング

OECD Better Life Index Income
www.oecdbetterlifeindex.org/topics/income/


　「OECD Better Life Index Income」は所得に関する総合的なランキングです。上図の通り、所得総合ランキングは以下のようになります。
　

順位	国名
1	アメリカ
2	スイス
3	ルクセンブルク
4	ベルギー
5	スウェーデン
6	日本
7	カナダ
8	オランダ
9	ドイツ
10	オーストラリア
11	イギリス
12	オーストリア
13	デンマーク
14	アイスランド
15	フランス
16	ノルウェー
17	イタリア
18	イスラエル
19	フィンランド
20	ニュージーランド
21	アイルランド
22	スペイン
23	韓国
24	ポルトガル
25	チェコ
26	スロベニア
27	スロバキア
28	エストニア
29	ポーランド
30	ハンガリー
31	チリ
32	ギリシャ
33	ラトビア
34	トルコ
35	ロシア
36	メキシコ
37	南アフリカ
38	ブラジル

　
　所得総合ランキングの1位はアメリカで、スイスとルクセンブルクが続き、日本は6位となります。

　ところで、2018年9月15日時点でのOECD加盟国は36ヶ国ですが、リトアニアは2018年7月に加盟したばかりなので統計データからは除外されています。その反面、OECD非加盟国のロシアとブラジル、南アフリカの3ヶ国が含まれているので、合計38ヶ国（＝36ヶ国－1ヶ国＋3ヶ国）の統計データとなります。

Better Life Index - Edition 2017
stats.oecd.org/Index.aspx?DataSetCode=BLI

　今から紹介する「1世帯あたり可処分所得」と「1世帯あたり金融資産」のランキングについては、2017年版の上記データベース（Better Life Index - Edition 2017）から作成しています。上述の所得総合ランキングは、この2つのランキングを総合的に評価したものだと思われます。
　

1世帯あたり可処分所得ランキング

　2017年版の1世帯あたり可処分所得（Household net adjusted disposable income）のランキングは以下の通りです。「可処分所得」とは、税金や社会保険などを除いた実質的な所得です。1米ドル110円で円換算しています。

順位	国名	1世帯あたり可処分所得
1	アメリカ	44,049米ドル	4,845,390円
2	ルクセンブルク	41,317米ドル	4,544,870円
3	スイス	36,378米ドル	4,001,580円
4	ノルウェー	35,739米ドル	3,931,290円
5	ドイツ	33,652米ドル	3,701,720円
6	オーストラリア	33,417米ドル	3,675,870円
7	オーストリア	32,544米ドル	3,579,840円
8	フランス	31,137米ドル	3,425,070円
9	スウェーデン	30,553米ドル	3,360,830円
10	アイスランド	30,453米ドル	3,349,830円
11	ベルギー	29,968米ドル	3,296,480円
12	カナダ	29,850米ドル	3,283,500円
13	フィンランド	29,374米ドル	3,231,140円
14	デンマーク	28,950米ドル	3,184,500円
15	オランダ	28,783米ドル	3,166,130円
16	日本	28,641米ドル	3,150,510円
17	イギリス	28,408米ドル	3,124,880円
18	イタリア	26,063米ドル	2,866,930円
19	アイルランド	25,439米ドル	2,798,290円
20	ニュージーランド	24,366米ドル	2,680,260円
21	イスラエル	24,036米ドル	2,643,960円
22	スペイン	23,129米ドル	2,544,190円
23	韓国	21,723米ドル	2,389,530円
24	チェコ	21,103米ドル	2,321,330円
25	ポルトガル	20,519米ドル	2,257,090円
26	スロベニア	20,505米ドル	2,255,550円
27	スロバキア	20,265米ドル	2,229,150円
28	ポーランド	18,906米ドル	2,079,660円
29	エストニア	18,665米ドル	2,053,150円
30	トルコ	17,067米ドル	1,877,370円
31	ギリシャ	17,002米ドル	1,870,220円
32	ハンガリー	16,821米ドル	1,850,310円
33	ロシア	16,657米ドル	1,832,270円
34	チリ	16,588米ドル	1,824,680円
35	ラトビア	15,269米ドル	1,679,590円
36	メキシコ	13,891米ドル	1,528,010円
37	ブラジル	12,227米ドル	1,344,970円
38	南アフリカ	10,872米ドル	1,195,920円

　1世帯あたり可処分所得ランキングの1位はアメリカで、上位には欧米諸国がランクインしています。その中では6位のオーストラリアの健闘が目立ちます。日本は38ヶ国中16位と、中ほどの順位となっています。上位でないのは、非正規雇用の増加や長引くデフレ等の影響があるのかもしれません。
　

1世帯あたり金融資産ランキング

　2017年版の1世帯あたり金融資産（Household net financial wealth）のランキングは以下の通りです。1米ドル110円で円換算しています。

順位	国名	1世帯あたり金融資産
1	アメリカ	176,076米ドル	19,368,360円
2	スイス	128,415米ドル	14,125,650円
3	ベルギー	104,084米ドル	11,449,240円
4	日本	97,595米ドル	10,735,450円
5	スウェーデン	90,708米ドル	9,977,880円
6	オランダ	90,002米ドル	9,900,220円
7	カナダ	85,758米ドル	9,433,380円
8	イギリス	83,405米ドル	9,174,550円
9	ルクセンブルク	74,141米ドル	8,155,510円
10	デンマーク	73,543米ドル	8,089,730円
11	アイスランド	64,398米ドル	7,083,780円
12	イタリア	64,019米ドル	7,042,090円
13	イスラエル	61,805米ドル	6,798,550円
14	オーストリア	59,574米ドル	6,553,140円
15	フランス	59,479米ドル	6,542,690円
16	オーストラリア	57,462米ドル	6,320,820円
17	ドイツ	57,358米ドル	6,309,380円
18	ニュージーランド	52,718米ドル	5,798,980円
19	アイルランド	43,493米ドル	4,784,230円
20	スペイン	35,443米ドル	3,898,730円
21	韓国	33,495米ドル	3,684,450円
22	ポルトガル	31,877米ドル	3,506,470円
23	フィンランド	27,972米ドル	3,076,920円
24	チェコ	24,258米ドル	2,668,380円
25	ハンガリー	23,289米ドル	2,561,790円
26	チリ	21,409米ドル	2,354,990円
27	ノルウェー	20,347米ドル	2,238,170円
28	スロベニア	20,048米ドル	2,205,280円
29	ギリシャ	18,117米ドル	1,992,870円
30	ラトビア	17,105米ドル	1,881,550円
31	南アフリカ	17,042米ドル	1,874,620円
32	エストニア	16,967米ドル	1,866,370円
33	ポーランド	14,997米ドル	1,649,670円
34	スロバキア	10,846米ドル	1,193,060円
35	ブラジル	7,102米ドル	781,220円
36	メキシコ	4,750米ドル	522,500円
37	トルコ	4,429米ドル	487,190円
38	ロシア	2,260米ドル	248,600円

　アメリカが1位で、他国を圧倒的に引き離しています。貧富の差が激しいとは言え、凄い数字であることに変わりはありません。スイスとベルギーがその後に続きますが、日本は38ヶ国中4位とその次に位置しています。可処分所得こそ中位でしたが、金融資産については今までの蓄積のおかげもあり上位にランクインした形です。ただ、今後も上位にとどまり続けるかどうかは微妙なところですが…

　こうして38ヶ国をランキング比較すると、貧富の差が存在することを実感します。世界を見渡すと、経済的により劣る国が数多く存在するので、貧富の差は更に拡大します。「格差社会」については、日本国内において問題化していますが、世界全体ではより深刻であると言えそうです。

　今回の統計データは世界の主要国を対象にしていますが、中国やインドをはじめとして多くの国々が漏れています。それゆえ世界全体の統計とは言えませんが、日本の立ち位置を大まかに把握することは可能だと思われます。

※世界教育水準ランキング2017年（OECD:35ヶ国＋3ヶ国）へ続く

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