世界住宅水準ランキング2017年（OECD:35ヶ国＋3ヶ国）

　
※世界教育水準ランキング2017年（OECD:35ヶ国＋3ヶ国）より続く。

　経済協力開発機構（OECD）は加盟国に関する様々な統計データを取得しています。今回はその中から住宅にまつわる興味深いデータについて紹介します。

【追記】（2020-01-05）
　最新版の世界住宅水準ランキングを公開しました。

世界住宅水準ランキング2022年6月現在（日本は41ヶ国中26位）

 最速資産運用 ma-bank.net 2022/06/24更新

※世界教育水準ランキング2022年6月現在（日本は41ヶ国中14位）より続く。 経済協力開発機構（OECD）は加盟国に関する様々な統計データを取得しています。今回はその中から住宅にまつわる興..

　

住宅総合ランキング

OECD Better Life Index Housing
www.oecdbetterlifeindex.org/topics/housing/

　「OECD Better Life Index Housing」は住宅に関する総合的なランキングです。上図の通り、住宅総合ランキングは以下のようになります。
　

順位	国名
1	アメリカ
2	ノルウェー
3	オーストラリア
4	カナダ
5	ベルギー
6	韓国
7	オランダ
8	アイルランド
9	ルクセンブルク
10	スウェーデン
11	スロベニア
12	ドイツ
13	チリ
14	スイス
15	エストニア
16	フランス
17	スペイン
18	ポルトガル
19	フィンランド
20	イギリス
21	ニュージーランド
22	オーストリア
23	デンマーク
24	ハンガリー
25	日本
26	アイスランド
27	イスラエル
28	イタリア
29	トルコ
30	チェコ
31	メキシコ
32	ギリシャ
33	ポーランド
34	ロシア
35	スロバキア
36	ブラジル
37	ラトビア
38	南アフリカ

　
　住宅総合ランキングの1位はアメリカで、ノルウェーとオーストラリアが続き、日本は25位となります。

　ところで、2018年9月15日時点でのOECD加盟国は36ヶ国ですが、リトアニアは2018年7月に加盟したばかりなので統計データからは除外されています。その反面、OECD非加盟国のロシアとブラジル、南アフリカの3ヶ国が含まれているので、合計38ヶ国（＝36ヶ国－1ヶ国＋3ヶ国）の統計データとなります。

Better Life Index - Edition 2017
stats.oecd.org/Index.aspx?DataSetCode=BLI

　今から紹介する「住宅支出」「基本設備」「1人あたり部屋数」の各ランキングについては、2017年版の上記データベース（Better Life Index - Edition 2017）から作成しています。上述の住宅総合ランキングは、この3ランキングを総合的に評価したものだと思われます。
　

住宅支出

　2017年版の住宅支出（Housing expenditure）のランキングは以下の通りです。住宅支出とは、家計に占める住宅費の割合となります。

順位	国名	住宅支出
1	ニュージーランド	26%
2	アイスランド	24%
3	イギリス	24%
4	ギリシャ	24%
5	デンマーク	24%
6	チェコ	24%
7	スロバキア	24%
8	フィンランド	23%
9	イタリア	23%
10	ポーランド	23%
11	ラトビア	23%
12	スペイン	22%
13	カナダ	22%
14	日本	22%
15	スイス	21%
16	アイルランド	21%
17	フランス	21%
18	ポルトガル	21%
19	オーストリア	21%
20	ベルギー	21%
21	メキシコ	21%
22	ルクセンブルク	20%
23	オランダ	20%
24	スウェーデン	20%
25	ドイツ	20%
26	オーストラリア	20%
27	イスラエル	20%
28	トルコ	20%
29	ブラジル	20%
30	ロシア	19%
31	アメリカ	18%
32	スロベニア	18%
33	ハンガリー	18%
34	エストニア	18%
35	チリ	18%
36	南アフリカ	18%
37	ノルウェー	17%
38	韓国	15%

　住宅支出ランキングの1位はニュージーランド（26%）で、アイスランドやイギリス等が続きます。上位に国土面積が狭い国が多くランクインしているのが目立ちます。日本は22%で14位と、順位的に中の上となりました。なお、OECD全体の平均は20%となっています。
　

基本設備

　2017年版の基本設備（Basic facilities）のランキングは以下の通りです。基本設備とは住宅内にある個人用水洗トイレのことで、普及率で順位付けしています。

順位	国名	基本設備
1	ノルウェー	100%
2	ルクセンブルク	100%
3	スイス	100%
4	オランダ	100%
5	スウェーデン	100%
6	アイスランド	100%
7	アメリカ	99.9%
8	アイルランド	99.9%
9	スペイン	99.9%
10	ドイツ	99.9%
11	カナダ	99.8%
12	ニュージーランド	99.7%
13	スロベニア	99.7%
14	イギリス	99.6%
15	フィンランド	99.5%
16	フランス	99.5%
17	ギリシャ	99.5%
18	デンマーク	99.4%
19	チェコ	99.4%
20	イタリア	99.4%
21	ポルトガル	99%
22	オーストリア	99%
23	オーストラリア	98.9%
24	スロバキア	98.6%
25	ベルギー	97.7%
26	ポーランド	97.3%
27	韓国	95.8%
28	メキシコ	95.8%
29	ハンガリー	95.7%
30	イスラエル	95.6%
31	日本	93.6%
32	トルコ	93.5%
33	ブラジル	93.3%
34	エストニア	93.1%
35	チリ	90.6%
36	ラトビア	87.1%
37	ロシア	86.2%
38	南アフリカ	63%

　基本設備ランキングの1位はノルウェーやルクセンブルクなど6ヶ国が100%で並んでいます。日本は93.6%の31位で、順位的には下位に位置します。なお、OECD全体の平均は97.9%となっています。
　

1人あたり部屋数

　2017年版の1人あたり部屋数（Rooms per person）のランキングは以下の通りです。1人あたり部屋数とは、住宅内の部屋数を、居住人数で割ったものです。

順位	国名	1人あたり部屋数
1	カナダ	2.5部屋
2	ニュージーランド	2.4部屋
3	アメリカ	2.4部屋
4	オーストラリア	2.3部屋
5	ベルギー	2.2部屋
6	アイルランド	2.1部屋
7	ノルウェー	2.1部屋
8	イギリス	2部屋
9	ルクセンブルク	2部屋
10	デンマーク	1.9部屋
11	フィンランド	1.9部屋
12	スペイン	1.9部屋
13	日本	1.9部屋
14	スイス	1.9部屋
15	オランダ	1.9部屋
16	チリ	1.9部屋
17	フランス	1.8部屋
18	スウェーデン	1.8部屋
19	ドイツ	1.8部屋
20	ポルトガル	1.7部屋
21	アイスランド	1.6部屋
22	オーストリア	1.6部屋
23	エストニア	1.6部屋
24	スロベニア	1.5部屋
25	チェコ	1.4部屋
26	イタリア	1.4部屋
27	韓国	1.4部屋
28	ギリシャ	1.2部屋
29	ラトビア	1.2部屋
30	イスラエル	1.2部屋
31	ハンガリー	1.2部屋
32	スロバキア	1.1部屋
33	ポーランド	1.1部屋
34	メキシコ	1部屋
35	トルコ	1部屋
36	ロシア	1部屋
37	ブラジル	0.8部屋
38	南アフリカ	0.7部屋

　1人あたり部屋数ランキングの1位はカナダ（2.5部屋）で、ニュージーランドとアメリカが続きます。なお、OECD全体の平均は1.8部屋となっています。
　日本は1.9部屋で、38ヶ国中13位と上位に位置します。「ウサギ小屋」と揶揄されていた時代もあったので、ここまで順位が高いのは意外でした。ただ、少子化による「一人一部屋」が進んでいることや、一軒家（に居住する高齢者）の一人暮らしが増えていることなど、ランキング上位に位置する理由は思い当たります。日本では以前に比べると1人あたりの部屋数は増えたかもしれませんが、空き家予備軍が増えているだけかもしれないので、居住環境が良くなったと手放しで喜ぶわけにはいきません。

　こうして38ヶ国をランキング比較すると、住宅においても格差が存在することを実感しますが、お金や教育に比べるとその差は大きくない印象です。ただ、OECD諸国以外の国々を含めると、住宅の格差は更に拡大すると思われるので、一概に格差は少ないとは言い切れません。

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