日本経済新聞社「税金考:ゆがむ日本」を通して不公平税制を知る

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　自動積立で種銭作り。財形貯蓄や積立預金、貯蓄型保険（月払）、積立投資（投信積立）、401K(確定拠出年金)等に関するメリットやデメリットなど。

資産形成と資産保全を更新

　内容を再確認した上で、各種コストや政策的な理由で税金が軽減されるケース等について加筆しました
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「最速資産運用」運営者より：

　連載中から気になっていた、日本経済新聞社の「税金考」を読みました。丁寧な取材と豊富な事例をもとに、税金の矛盾点や問題点をあぶりだしています。

税金考 書籍から：日本経済新聞
www.nikkei.com/news/topic/archive/?uah=DF220220...

　例えば、公共の用に供する私道は、固定資産税も相続税も非課税です。ところが、公共性に関する評価基準が異なることから、固定資産税では非課税でも、相続税では課税とされるケースがあります。しかも、私道を物納できるのは「宅地と一体で売却できる見込みがある場合」だけなので、相続税において私道を物納することもできません。（P.27）

　税務署や税理士にとっては当然のことかもしれませんが、納税者にとっては不公平そのものです。地方税である固定資産税も、国税である相続税も、同じ「税金」です。納税者にとっては何ら変わりありません。
　この「税金考」では、何人かの識者にインタビューをしていますが、多くの人が複雑な税制について苦言を呈しています。専門家にしか理解できない税制は、一部の人が得をする反面、大多数の人にとってはデメリットの方が目立ちます。「税法事件は嫌だった」と公言する裁判官も存在するなど、我が国の税制は司法にとっても分かりにくいものです（P.237）。不公平そのものであり、経済活動を停滞させる一因にもなるので、シンプルな税制が望まれると思うのですが…

　複雑な税制の理由の一つが、4章「税を歪めるのは誰か」（P.200）で述べられている「政治」です。
　業界団体の陳情や政策的な理由により、租税特別措置法の条文は毎年のように増えますが、減ることはめったにありません。政治家は支持者を減らすこと（＝選挙で票にならないこと）をしたくないからです。「声が大きい人が勝つ」の典型例です。
　おそらくシャウプ勧告のような外圧がかからない限り、複雑な税制が変わることはないでしょう。もしくは、日本円が暴落するなどの経済危機が生じて、国家財政が立ち行かなくなった場合でしょうか。

　消費税は比較的シンプルな税金ですが、この本では「益税」について取り上げています（P.58）。国庫に納付すべき消費税が、事業者の懐に入るケースを益税と呼んでいます。一つ目は売上高1,000万円以下の免税事業者で、二つ目は売上高5,000万円以下の事業者に認められる簡易課税制度です。

消費税で儲かる？　「益税」5000億円のなぜ｜税金考
www.nikkei.com/article/DGXMZO04190060Y6A620C1I0...

　なお、消費税の益税にはこの他にも、設立2期目までの免税制度が存在します。益税を仕組みを理解しているか否かで、消費税の納税額が変化しますし、今後税率が上昇すればそのインパクトも大きくなります。

　なお、個人的には「僕らの税金、３割以上が高齢者に」において、自分が関与する「税金はどこへ行った？（日本全国版）」が紹介されていることが嬉しかったです（P.56）。今から1年以上前に日本経済新聞の記者から取材を受けていましたが、ボツになったという連絡を受けていたので尚更のことです。

　税制の不公平さを嘆いても状況は好転しません。情報弱者にならないためには、税金の最新情報を収集したり、専門書を読むなど、自分にできることを地道に行なう必要があります。
　「最速資産運用」や「最速節税対策」が、その一助になれば幸いです。

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