富裕層(超富裕層)の人数や保有資産について調べてみた

富裕層とは金融資産が100万米ドル（1億円）以上のケースを指すようですが、超富裕層については異なる定義がいくつか存在します。500万米ドル（5億円）以上3,..

【情報公開日】2016/09/03　【関連タグ】資産運用全般

LINE

「最速資産運用」更新状況：

富裕層向けプライベートバンクを更新

　内容を最新情報に更新した上で、富裕層と超富裕層、国内のプライベートバンクを追加しました。

「最速資産運用」運営者より：

　富裕層とは金融資産が100万米ドル（1億円）以上のケースを指すようですが、超富裕層については異なる定義がいくつか存在します。

500万米ドル（5億円）以上
3,000万米ドル（30億円）以上
5,000万米ドル（50億円）以上

　野村総合研究所のレポートによると、超富裕層は5億円以上と定義されています。2013年において、日本には5.4万世帯いるらしいです。

日本の富裕層は101万世帯、純金融資産総額は241兆円｜野村総合研究所（2014年11月）
www.nri.com/Home/jp/news/2014/141118.aspx

純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、および同5億円以上の「超富裕層」を合わせると、2013年時点で100.7万世帯でした（図1）。内訳は、富裕層が95.3万世帯、超富裕層が5.4万世帯です。

　ナイトフランクの「ウェルス・レポート 2016」によると、超富裕層（UHNWI）は3,000万米ドル以上と定義されています。2015年において、全世界で187,8468人存在し、日本人は6,448人らしいです。

The Wealth Report 2016 | Knight Frank（2016年2月）
www.knightfrank.com/research/the-wealth-report-...
The Wealth Report 2015 | Knight Frank

We use UHNWI as an abbreviation for ultra-high-net-worth individual – someone with a net worth of over US$30m excluding their primary residence.

　クレディ・スイスの「2015年度グローバル・ウェルス・レポート」によると、超富裕層（UHNW）は5,000万米ドル以上と定義されています。2015年において、全世界で12万3,800人存在し、日本人は2,467人いるらしいです。

2015年度グローバル・ウェルス・レポート｜クレディ・スイス（2015年11月）
www.credit-suisse.com/media/production/ai/docs/...

　富のピラミッドの上層に目をやると、2015年時点で日本は米ドル建てのミリオネアの数が212万人と、世界3位につけており、2020年には69%増の359万人に達する見込みです。
　2015年央時点において、日本には純資産額が5,000万米ドルを上回る超富裕層（UHNW）が2,467人いると見られ、世界8位の多さとなっています。

　以上をまとめると、日本における超富裕層は以下の通りとなります。

500万米ドル（5億円）以上：5.4万世帯（2013年。野村総合研究所）
3,000万米ドル（30億円）以上：6,448人（2015年。ナイトフランク）
5,000万米ドル（50億円）以上：2,467人（2015年。クレディ・スイス）

　また、富裕層（100万米ドル≒1億円～）は以下の通りとなります。

100.7万世帯（2013年。野村総合研究所）
126万人（2015年。ナイトフランク）
212万人（2015年。クレディ・スイス）

　富裕層の数字にばらつきがありますね…
　と言うことで、いくつか公的資料を調べてみましたが、残念ながら参考になりそうなデータはあまりありませんでした。

平成28年版高齢社会白書（全体版） 2　高齢者の経済状況｜内閣府（2016年5月）
www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/ze...

貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると、世帯主の年齢が65歳以上の世帯（二人以上の世帯）では、4,000万円以上の貯蓄を有する世帯が18.3％であり、全世帯（11.4％）と比べて高い水準となっている（図1－2－2－6）。

　貯蓄現在高4,000万円以上については、平成26（2014）年現在、全世帯（50,431千世帯）の11.4％を占めているので、約570万世帯（＝50,431千世帯×11.4％）となります。
　ただし、4,000万円以上のデータなので、今回の富裕層（1億円以上）のケースには当てはまりません。

「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査] (２０１５年) ｜金融広報中央委員会（2015年11月）
www.shiruporuto.jp/finance/chosa/yoron2015fut/

「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査] (２０１５年) ｜金融広報中央委員会

　有効回収数3,474世帯のうち、金融資産保有額が1億円以上と回答したのは41世帯なので、金額無回答278世帯を差し引くと1.28％（＝41世帯÷（3,474世帯－278世帯））となります。よって、金融資産保有額1億円以上については、平成27（2015）年現在、全世帯（5,036.1万世帯）の1.28％を占めると推定すると、64.4万世帯（＝5,036.1万世帯×1.28％）となります。
　ただし、あくまでも調査対象者数が3,474世帯にとどまるアンケート調査であり、しかも保有資産というデリケートな質問なので、その精度については疑問が残ります。金融資産保有額1億円以上は64.4万世帯という推定値については、参考程度に考えていた方がいいかもしれません。

　富裕層（100万米ドル≒1億円～）の人数について、再度まとめると以下の通りになります。

64.4万世帯（2015年。金融広報中央委員会）
100.7万世帯（2013年。野村総合研究所）
126万人（2015年。ナイトフランク）
212万人（2015年。クレディ・スイス）

　64万～100万世帯が妥当な数字だと思います。少なくとも212万人は多すぎると感じます。ただ、ナイトフランクとクレディ・スイスについては米ドル換算されるので、為替レートの変動によって人数が大きく増減することに注意が必要です。

　ところで、プライベートバンクが顧客の対象とする資産残高はどれぐらいなのでしょうか。一般的には、富裕層の100万米ドル（1億円）が最低ラインだと考えられますが、いくつかの金融機関は公表しています。

UBSウェルス・マネジメント：2億円以上
www.ubs.com/jp/ja/wm/becoming_a_client.html