FXスワップ差を利用した裁定取引で安全に稼げるのか？－２

「最速資産運用」更新状況：

FX両建てスワップ裁定取引計算ソフトを公開

　FX業者間のスワップ差を利用した裁定取引（アービトラージ。サヤ取り）を自動計算。豪ドル/円,カナダドル/円,スイスフラン/円,ユーロ/円,英ポンド/円,NZドル/円,米ドル/円,南アランド/円。

「最速資産運用」運営者より：

　FXスワップ差を利用した裁定取引で安全に稼げるのか？－１で予告した通り、FX業者間のスワップ差を利用した裁定取引を自動計算するツールを公開しました。豪ドル/円など、主要8通貨ペアに対応しています。

　入力項目は以下の5つです。

1. 通貨ペア
2. 為替レート
3. 入金額（純資産）
4. 取引数量(Lot)
5. 運用期間

　以下の条件で「南アランド/円」のFX両建て取引をシミュレーションしてみます。為替レートについては自動的に入力されますが変更可能です。

1. 為替レート：8.48円
2. 入金額（純資産）：100万円
3. 取引数量(Lot)：65Lot×10,000通貨
4. 運用期間：1年

　入力中にレバレッジがリアルタイムで自動表示されます。今回は5.51倍と、やや高めに設定しましたが、取引数量や入金額を調整することでリスクを簡単にコントロールできます。
　また、両建て取引になるので、買いポジションと売りポジションの双方に入金する必要があります。よって、総入金額は2倍の200万円となります。

　「シミュレーションする」をクリックすると、以下のような計算結果が表示されます。

• 買い：＋347,425円（ロスカット:7.24円。マトリックストレーダー）
• 売り：▲246,350円（ロスカット:9.83円。DMM FX）
• 損益：＋101,075円
• 年利：5.05％（＝101,075円÷200万円）
• 為替コスト：17,550円

　20前後のFX業者の中から、想定損益を極大化する組合せを自動的に計算します。計算結果には、スワップポイント（通貨ペア2国間の金利差）だけでなく、スプレッド（売値と買値の価格差）も加味されています。

　売り買いの両建てで同量の外貨を取引しているので、為替リスクを考える必要はありません。上がっても下がっても関係ないのです。FXスワップ裁定取引のメリットと言えます。
　ただし、スワップについては日々変動するので確定値ではありません。しかも、かなり激しく変わるケースが見受けられます。スワップの変動リスクについては十分な注意が必要です。

　より安全に取引するためには、為替コスト（スプレッド）に着目する方法が考えられます。FX両建てスワップ裁定取引計算ソフトにおいては、「スワップ裁定取引(両建て)の想定年利」として、通貨ペア別の想定年利等が一目で分かるようになっています。

　この中にある「損失解消」は、累計スワップが為替コストを上回る日数のことです。日数が短ければ短いほど、スワップ変動リスクを低減することができます。

　確かに「南アランド/円」の想定年利は高いですが、為替コスト（スプレッド）が高いので、利益が出るようになるのは54日後のことです。約2ヶ月先なので、ちょっと長いように感じます。
　「NZドル/円」の想定年利はやや劣りますが、利益が出るようになるのは8日後と非常に短いです。スワップ変動リスクを考えると、「NZドル/円」の方が有利だと感じます。

　とは言え、スワップ変動リスクを完全に排除することはできないので、FXスワップ差を利用した裁定取引で安全に稼ぐことはできません。そのことを前提にすれば、ある程度リスクを抑えた上でFX取引をすることが可能になります。ただし、その分リターンも限定的になります（レバレッジ次第ですが）。

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