金融機関の信頼性－２（外国会社）

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　金融機関の信頼性－１（インターネット取引）で言及した通り、インターネットの登場は金融取引を大きく変えました。遠方にある金融機関と取引することが容易になったのです。

　インターネット上での金融取引はデジタルデータのやり取りなので、通信回線を通じて資金を簡単に移動できます。資金移動先が国内であろうが海外であろうが関係なく、クリック一つで瞬時に反映されます。
　国内外の金融情報がネット上に氾濫していることもあり、以前に比べると海外の金融機関は確実に身近な存在となりました。

　魅力的な海外の金融機関も数多く存在します。
　国内の金融機関では提供していない商品があったり、手数料が格安などのメリットがあったり、日本語に対応しているケースも少なからずあります。システムが使いやすいかもしれませんし、Amazonとの取引に慣れているから外国の金融機関でも大丈夫という人もいるかもしれません。


　ですが、いくら魅力的だとは言え、海外の金融機関を利用することはお勧めできません。

　なぜか。
　海外の金融機関を利用する場合、最も注意しなければいけないのは、その国の法律の存在です。国によって商習慣が異なるので、日本の常識が通じないケースが多々あります。海外の金融機関とトラブルになった場合、優先されるのはその国の法律です。

　我が国でも金融商品取引法や銀行法、保険法など、金融取引に関する各種法令が存在しますが、果たしてどれだけの人がその内容を理解しているのでしょうか？　ましてや海外の法律です。内容の理解はおろか、どのような法律があるのかさえ知らない人が大多数だと思います。

　国内の金融機関とトラブルになった場合、所轄官庁の金融庁が窓口となって対応しますし、金融問題に精通した弁護士に依頼することも比較的容易です。国内の金融機関が相手であれば、トラブルになった場合でもセーフティーネットを利用しやすい環境にあると言えます。

　それに対して海外の金融機関とトラブルになった場合はどうでしょうか。日本語で対応することは絶望的で、現地語で交渉したり、文書のやり取りをする必要があります。金融の専門知識が必要とされるので、生半可な語学力では太刀打ちできないことでしょう。
　その上、海外の法律が大きく立ちはだかります。海外の法律に精通した弁護士は少ないので、専門家に交渉を依頼することは非常に困難です。
　また、現地の行政機関が、我が国の金融庁のように、トラブルの窓口として懇切丁寧に対応してくれるかどうかも疑問です。

　海外の金融機関を相手にトラブルが生じた場合、結果的に泣き寝入りする可能性は高いと思われます。

　例外的に、海外赴任中に現地の金融機関を利用することはOKだと思います。その場合でも相応の語学力が必要となりますし、現地において信頼できる知人か専門業者にサポートを依頼することを強くお勧めします。
　また、どうしても海外の金融機関を利用したい場合、専門業者の活用も一つの手です。専門業者に支払う手数料と専門業者の信頼性次第ですが。

　大切な金融資産です。どんなにメリットであっても海外の金融機関を利用するのは控えた方が無難です。語学力に加え、国内外の金融の専門知識に自信がある人以外にはお勧めできません。
　トラブルはいつ何時起こるか分かりません。痛い目にあってからでは遅すぎるのです。

※金融機関の信頼性－３（仮想通貨）へ続く

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