NISA(少額投資非課税制度)とは
2024年1月開始の新しいNISAの特徴・つみたて投資枠・成長投資枠・メリット・デメリット・ローリスク運用法について。
【最終更新】(※情報登録:2015/07/29)
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NISA(少額投資非課税制度)は2014(平成26)年1月から始まった制度で、2024年1月より「新しいNISA」として生まれ変わります。なお、2023年12月までのNISA(以下、旧NISAという)については、NISA(少額投資非課税制度)とは (*2019年版)をご確認ください。
【目次】NISA
NISAのメリット(特徴)
2024年1月より開始される「新しいNISA」のメリット(特徴)は以下の通りです。- 任意の金融機関にNISA口座を1つだけ開設することが可能。制約はあるが金融機関の変更も可能。
- 18歳以上の居住者等であればいつでも誰でもNISA口座を開設することが可能(※口座開設期間の恒久化)。
- NISA口座で購入した上場株式や株式投信の売買益や配当金が非課税。
- NISA口座では年360万円まで購入可能。
- 年120万円(※つみたて投資枠)
- 年240万円(※成長投資枠)
- 非課税期間は無期限。
- 非課税保有限度額(生涯投資枠)は最大1,800万円(※売却した非課税枠の再利用が可能)。
- 多くのネット証券ではNISA口座の取引手数料が無料。
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NISA口座は一人につき一つ
NISA口座は証券会社だけでなく、銀行や保険会社などでも口座開設が可能です。ただし、非課税対象の投資商品は、上場株式・REIT・ETF・株式投資信託に限定されるので、そのような商品を幅広く揃える証券会社を選ぶのが無難だと思われます。また、NISA口座に毎月自動積立したいのであれば、システム的に対応している金融機関を選択する必要があります。特定口座や一般口座では自動化されていても、NISA口座には対応していない、というケースも想定されるので注意が必要です。
幸いなことに、2015年1月1日からは金融機関を1年単位で変更することが可能になったので、自分の投資スタイルに合わないと思えば乗り換えることが可能です。
いつでも誰でもNISA口座を開設できる
居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者で、18歳以上であれば誰でもNISA口座を開設することができます。NISA口座を開設できないのは、以下の場合に限られます。- 18歳未満の居住者等
- 海外勤務等で居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者に該当しない者
その点、NISA(少額投資非課税制度)は、18歳以上の居住者等という非常に緩やかな制限があるだけで、多くの国民が利用できるオープンな非課税制度と言えます。
また、NISAは2024年1月より恒久的な制度となりました。18歳以上であれば、いつでもNISA口座を開設することが可能です。
配当金や売買益が非課税
非課税期間の配当金や売買益は、非課税です。配当金や収益の分配について非課税の適用を受ける場合、配当金等の受取方法として「株式数比例配分方式」を事前に選択しておく必要があります。配当金等を直接受け取ると非課税対象外になるので、NISA口座開設時に「株式数比例配分方式」の手続きをすることをお勧めします。
ただし、東証やJASDAQ等の国内株式市場に上場する外国株式や外国ETFの配当金などについては、「株式数比例配分方式」の適用対象外なので非課税にならないことに注意が必要です。
金融機関が破綻した場合
あまり考えたくないことですが、金融機関は破綻するリスクがあります。万一破綻した場合でも、公的な保護制度が用意されているので、保護される範囲等について取引前に確認しておくことをお勧めします。おすすめの資産運用情報
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年360万円の非課税購入枠(※2024年1月~)
NISAの正式名称「少額投資非課税制度」が示す通り、非課税枠には限度があり、2024年1月から年360万円までとなります。非課税枠の内訳は、①年120万円(※つみたて投資枠)、②年240万円(※成長投資枠)です。非課税枠の未使用分を翌年に繰り越せないことに注意が必要です。毎月30万円ずつ積み立てると年360万円になるので、物凄く大きな金額と言えます。しかも非課税期間は無期限と至れり尽くせりです。ただし、非課税保有限度額(生涯投資枠)が最大1,800万円と限定的なことに注意が必要です(※詳細については後述)。
つみたて投資枠(※年120万円まで非課税)
「つみたて投資枠」の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」に限定されます。つみたてNISAの後継的制度であり、対象商品はつみたてNISAと同様となります。主な「つみたて投資枠」対応ファンド
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成長投資枠(※年240万円まで非課税)
「成長投資枠」の投資対象商品は「上場株式・投資信託等」に限定されますが、以下については除外されます。 旧NISAの後継的制度であり、対象商品は旧NISAに近いものとなります。なお、「成長投資枠」の非課税保有限度額(生涯投資枠)は1,200万円が上限となります。非課税期間は無期限(※2024年1月~)
NISAのメリットの1つが、2024年1月から非課税期間が無期限となることです。旧NISA(含.つみたてNISA等)については非課税期間が限定的だったことを考えると、物凄く魅力的になりました。非課税期間の終了後、非課税枠を使って継続保有(ロールオーバー)する必要もありません。非課税期間が無期限なので、気兼ねなく長期保有を目的にNISAを利用することができるようになりました。投資商品の処分時期をコントロールできるのは非常にありがたいです。
非課税保有限度額(生涯投資枠)は最大1,800万円(※2024年1月~)
2024年1月から非課税枠が年360万円に拡大される反面、非課税保有限度額(生涯投資枠)が1,800万円と限定的なので、最短5年間(=1,800万円÷年360万円)で非課税枠が一杯になります。なお、「つみたて投資枠」の限度額や「つみたて投資枠」「成長投資枠」の合計限度額は1,800万円ですが、「成長投資枠」の限度額は1,200万円と少なくなることに注意が必要です。ただし、非課税保有限度額(生涯投資枠)が限度額に達した時でも、NISA口座で保有中の投資商品を売却すれば、その減少分について新たに投資することができます(※ただし年間非課税購入枠内に限る)。すなわち、生涯投資枠が一杯になっても、投資資産の売却分(減少分)については何度でも復活するので、売却した非課税枠の再利用が可能なのです。
なお、この非課税保有限度額(生涯投資枠)については、国税庁が管理するとのことです。
NISA口座の取引手数料が無料の証券会社
配当金や売買益が非課税となることに加え、以下のようなネット証券NISA口座では取引手数料までが無料となります。- 楽天証券
- SBI証券
- マネックス証券
- auカブコム証券
- 松井証券
- GMOクリック証券
- DMM.com証券
NISA口座へ移管できない投信商品(※2024年1月~)
下記口座において運用中の投資商品を、NISA口座に移すことはできないことに注意が必要です。NISA口座への投資は、あくまでも新規資金で購入した場合に限られます。 なお、旧NISA口座やつみたてNISA口座、ジュニアNISA口座の投資分については、非課税期間が終わるまで非課税で保有可能で、2024年1月より開始される「新しいNISA」の非課税枠と併用できます。NISAのデメリット
NISAの主なデメリットは以下の通りです。- 非課税保有限度額(生涯投資枠)が最大1,800万円と限定的。
- 他の所得と損益通算ができないし、損失の繰越控除もできない。
- 海外株式の配当については外国税額控除が適用されない。
- 18歳未満は利用できない。
- 金融機関にマイナンバーの通知が必要。
1.について。非課税保有限度額(生涯投資枠)を空けるために、投資商品を売却せざるを得ない状況に陥る可能性があります。長期保有を目的にNISAを利用したい人にとっては頭が痛い問題です。
対策としては、年間投資額を抑えることが考えられます。例えば投資額が年60万円(月5万円)であれば、30年間(=1,800万円÷年60万円)投資し続けることが可能になります。
2.については、利益が出ている場合には問題になりません。問題になるのは損失が出ていたときです。特定口座や一般口座では他の所得と損益通算や損失の繰越控除ができますが、NISA口座では一切できません。
3.について。海外株式の配当の場合、外国での源泉徴収分については、国内課税分との二重課税を排除するため、通常は外国税額控除を適用することが可能です。ところが、NISAでは国内分が非課税のため、外国税額控除の適用がありません。そのため、NISAで海外株式を購入する場合、現地において源泉徴収されない国(イギリスや香港、オーストラリア、シンガポール等)の銘柄を選択する方が有利になります。
なお、外国株式の売買利益については、国内でしか課税されないため上記問題は生じません。
4.について。2023年12月までジュニアNISAを利用することで、18歳未満でもNISAの恩恵を受けることができましたが、2024年以降はジュニアNISAの後継的制度が用意されていません。
5.については、手間がかかりますが、法令で義務付けられている以上、従わなければなりません。
利益が出るのであればNISAは素晴らしい制度ですが、逆に損失が出ると、物凄く不利になります。
これは、iDeCo(確定拠出年金)にも言えることですが、iDeCoは運用益が非課税ということに加え、拠出掛金が確定申告時に所得控除される等といったNISAにないメリットもあります。ただし、iDeCoを利用する場合、年間拠出限度額が少ない上に、60歳まで払い戻せないということに注意が必要です。
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- NISA(*国内債券型の投資信託)
- 投資初級者レベル (*少し難しい)
- 小さなリターンが期待できる
- ■ローリスク (*リスク内訳)
- 価格変動リスク
信用リスク為替リスク
流動性リスク金利変動リスク
インフレリスク - リターンとリスクの詳細を見る
ローリスク・ローコストでNISAを利用したいのであれば、ノーロードの国内債券インデックス・ファンドは有力な選択肢となります。
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旧NISAと新しいNISAとの比較
最後に旧NISAと新しいNISAと比較してみます。項目 | 旧NISA | 新しいNISA | |||
---|---|---|---|---|---|
一般NISA | つみたてNISA | 成長投資枠 | つみたて投資枠 | ||
■概要 | |||||
対象 | 18歳以上 | ||||
運用管理 | 本人 | ||||
併用 | ×(不可) | ◎(可能) | |||
■口座 | |||||
開設 | 任意の金融機関に1口座 | ||||
開設期間 | 2014年~2023年 | 2018年~2023年 | 2024年~ (※恒久化) | ||
変更 | ◎(可能) | ||||
廃止 | |||||
再開設 | |||||
■収益の非課税 | |||||
対象 | 上場株式や投資信託の 売買益や配当金 | 一定の要件を満たす投資 信託の売買益や分配金 | 上場株式や投資信託の 売買益や配当金 | 一定の要件を満たす投資 信託の売買益や分配金 | |
限度額 | 年120万円 | 年40万円 | 年240万円 | 年120万円 | |
限度額 繰越 | ×(不可) (*使いきれなかった年間限度額の翌年繰越は不可) | ||||
生涯枠 | 600万円 | 800万円 | 1,800万円 (*成長投資枠は1,200万円) | ||
枠再利用 | ×(不可) | ◎(可能) | |||
期間 | 5年間 (*ロールオーバーで延長可) | 20年間 | 無期限 | ||
最長期間 | 2027年まで | 2042年まで | |||
期間終了時 | 強制決済 | ||||
■損失が出た場合 | |||||
損益通算 | ×(不可) | ||||
繰越控除 | |||||
■その他 | |||||
売買 | 常時可能 | ||||
払い出し | |||||
届出 | 金融機関にマイナンバーの通知が必要 |
制度の内容については共通事項もありますが、非課税期間や非課税限度額など異なる点もいくつかあることが分かります。
参考
新しいNISA : 金融庁 「みんなにいいさ!NISAがいいさ!!」 | 日本証券業協会
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更新履歴
- NISA(少額投資非課税制度)とは
- NISA(少額投資非課税制度)とは (*2015年版)
- NISA(少額投資非課税制度)とは (*2016年版)
- NISA(少額投資非課税制度)とは (*2017年版)
- NISA(少額投資非課税制度)とは (*2019年版)
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