年金積立金の運用資産は144兆円（前年比＋7.9兆円）

　
　2017年7月7日、独立行政法人年金積立金管理運用（ＧＰＩＦ）が、平成28年度の年金積立金の運用状況を公表しました。

平成28年度業務概況書｜ＧＰＩＦ
www.gpif.go.jp/operation/state/pdf/h28_q4.pdf

　運用パフォ－マンスは、収益額が＋7兆9,363億円、収益率が＋5.86％と、非常に良好でした。運用資産額も一年前の134兆7,475億円から、144兆9,034億円へと大きく増やしました。

　前年度は収益額が▲5.3兆円、収益率が▲3.81％とマイナスだったため、各所から様々な批判を受けました。ＧＰＩＦが運用する資産は将来の年金財源なので、慎重な運用を求める人が多いからだと思われます。
　ただ、マイナス金利の状況下、ある程度リスクを取らないと増やすことができない状況にあるので、年によってはマイナスになっても仕方がないと考えます。

　収益率の明細を見ると、株式が好調な反面、債券のマイナスが際立つ結果となりました。
　

項目	収益額	収益率
国内債券	▲3,958億円	▲0.85%
国内株式	＋4兆5,546億円	＋14.89%
外国債券	▲5,962億円	▲3.22%
外国株式	＋4兆3,273億円	＋14.20%

　運用資産の構成割合は以下の通りです。
　

項目	資産額	構成割合
国内債券	47兆8,707億円	31.68%
国内株式	35兆1,784億円	23.28%
外国債券	19兆6,817億円	13.03%
外国株式	34兆9,262億円	23.12%
短期資産	13兆4,365億円	8.89%

　国内債券は構成割合（31.86%）と最も多く、収益率が1%近くマイナスでしたが、国内株式と外国株式が好調だったため、運用資産全体ではプラスになりました。こういう事例を見ると、アセットアロケーション（運用資産の構成割合）の重要さを実感します。

　一個人投資家としても非常に参考になるので、ＧＰＩＦの運用方針については引き続きウオッチしていきたいと思います。

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