ダン・ケネディ「億万長者のビジネスプラン」を資産運用に生かす

公開日:2014/11/14

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　先日「億万長者のビジネスプラン」を読みました。
　具体的なビジネス事例を紹介しながら、そのエッセンスを分かりやすく伝える内容です。億万長者になる道は厳しく、成功よりも失敗することの方が多いようです。逆に言えば、どんなに失敗をしても、その失敗を活かし、成功するまで繰り返し挑戦するという意欲が必要不可欠なのでしょう。

億万長者のビジネスプラン

　以下、印象に残ったことを書き残します。

「１００人の新しい患者を集める方法なんて知りませんから。私が知っているのは、１人の新しい患者さんを得るための１００通りの方法です。そして、そのすべてを実行しています」(P.38)

　億万長者になるには、何かしら特別な秘訣があると思われがちです。例えば、特殊な才能やコネクション、莫大な資本などなど。
　ところが、この本において繰り返し書かれていることは、基本的な事柄を地道に積み上げることの大切さです。特殊な才能などがなくても、商売の基本に忠実であれば億万長者への道が開かれます。ただし、地道な継続が前提条件ですが。
　楽して億万長者になる方法は、基本的にないと考えた方が良いのでしょう。

「断りがたいほど魅力的なオファー」(P.43)
「①価格よりはるかに価値があると認識させること、②魅力のある特典、③強力な保証」(P.43)

　商品やサービスの魅力を買い手にいかに伝えるかは非常に大切です。どんなに素晴らしいものでも、その素晴らしさを十二分に伝えることができなければダメです。
　著者は上記の通り、３つのポイントを挙げています。いずれも大切ですが、やはり①が最も重要だと思われます。そのためにはターゲットを明確に絞り込む方がよさそうです。

「当社には、病みつきになってしまう商品がたくさんある」(P.46)
「我々はそんな商品を”麻薬”と呼んでいる。それらを売る一番よい方法は、麻薬密売人のセールステクニックを使うことだと気がついた。つまり、顧客が虜になってしまうまで無料サンプルを渡し続ければいいんだ」(P.46)

　この発想はありませんでした。確かに、常習性の高い麻薬的な商品であれば、この方法も有効でしょう。そのような魅力あふれる商品を見つけるのが非常に困難なのですが…
　例えば、アイドルのグッズを、そのアイドルのファンに販売することが考えられますが、一般的には難しいでしょうね。やるとすれば、アイドルの先物買いをして、無名時代に商標権や販売権等をおさえることでしょうが、たいていのアイドルは消えてしまう運命にあるのでリスクは非常に高くなります。
　ただ、先ほどの「①価格よりはるかに価値があると認識させること」と組み合わせることで、ニッチな分野に限定されますが、そのような商品を提供することが可能になりそうです。要は、グッズが存在しない「アイドル」を探し出し、グッズを作成し、その「アイドル」のファンにグッズを販売する、ということです。「アイドル」の例として、分かりやすいところでは、新興宗教の教祖や「カリスマ××」と呼ばれる人達です。
　手っ取り早いのが、自分自身をブランディングして、特定の分野の「アイドル」になることです。

「素晴らしい商品を製造することができるならば、すでに顧客と信頼関係があり、大きな流通ネットワークを持っている企業にＰＢ化して売ることができる」(P.145)
「ライター（物書き）であっても、リサイクルの発想でＰＢ（プライベートブランド）化を応用できる」(P.146)
「私は５年あまりで、同じ情報を６個の異なる商品にリサイクルし、そのうちの４つをＰＢ化して他の会社に提供した」(P.146)
「ＰＢ化は、広告費やマーケティングコストをかけずに　大規模な流通網をすばやく手に入れられる素晴らしい方法である」(P.146)

　「第６章　ビジネスをコピーして、大金を生み出す」で言及されているのが、既存の流通網を利用して、リスクなしで事業を拡大する方法です。確かに、プライベートブランド化する方法は、相手先にとってもメリットが大きいので、非常に有効であると思います。
　特に、商品だけでなく「情報」にも応用できるという点が素晴らしいです。例として、情報商材が挙げられていましたが、極端な話し「情報」の質が高いのであれば誰でも参入可能です。この場合、ニッチな特定分野に限定した方が成功する可能性が高そうです。
　実現させるためには、どの流通網に、どのような形で話しを持っていくかが重要になるので、その業界で働いた経験などがあれば役立ちそうです。この点においても先ほど言及した「自分自身のブランディング化」が重要になってきそうです。

「見込み客リストが必要だ。見込み客リストの質には順位がある。最も質が高いのは、すでに購入歴があり、その商品に満足していて、これから新商品を勧めたい顧客のリストだ。次に質が高いのは、興味を示してくれた人、つまり商品の広告に反応してくれた人のリストだ。３番目は、市販のリストで、関連商品を過去に購入したことのある人たちのもの。最後に、年齢や職業、年収などの属性ごとにまとめられた市販のリストがくる」(P.177)
「見込み客リストの質」は最重要。(P.178)
「最高によく書かれたセールスレターでも、質の悪いリストを使えば失敗するだろう」(P.178)
「購入者リストを使い、より多くの広告を頻繁に送る」べきである。(P.178)

　「第７章　ダイレクト・マーケティングで大きく儲ける」では、著者ダン・ケネディの専門分野の話が中心です。全くと言っていいほど知らない世界でしたので、非常に興味深く読みました。
　衝撃的だったのは、商品がどんなに素晴らしくても、あるいは広告がどんなに魅力的であっても、見込み客リストの質が悪ければ失敗するという事実です。要するに、ターゲットの絞込ができていないと、無駄になる可能性が高いということです。
　インターネットが普及したおかげで、取り扱う商材を、全世界に向けてアピールすることが可能になりました。けれども、ターゲットの絞込ができていないと、全くといっていいほど売れません。自分自身も経験がありますが、Ｗｅｂマーケティングで失敗する最も多いケースだと思います。
　「購入者を知ること」「購入者を大切にすること」「購入者に徹底的にアプローチすること」が、泥臭くはありますが、成功への近道なのでしょう。
　
　資産運用に近道はありません。ですが、リスクを取るのであれば、資産を飛躍的に増やす方法はあります。その方法の一つが起業であり、この「億万長者のビジネスプラン」には、エッセンスが数多く詰まっていると思われます。

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