生活保護とは
生活保護の概要や要件等、生活保護のデメリット、生活扶助、給地区分などについて。具体的な給付例あり。
【最終更新】(※情報登録:2016/07/10)
【カテゴリ】保険年金
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生活保護の概要
公的扶助の一つで、生活困窮者は必要な保護や最低限度の生活保障を受けることができます。生活保護の窓口は、福祉事務所の生活保護担当です。福祉事務所は、市区部では市区が、町村部では都道府県が設置しています。
生活保護では、以下のような扶助が支給されます。
- 生活扶助(食費・被服費・光熱費等)
- 障害者加算
- 母子加算
- 児童養育加算
- 妊産婦加算
- 住宅扶助(アパート等の家賃)
- 教育扶助(義務教育用の学用品費)
- 医療扶助(医療サービス費)
- 介護扶助(介護サービス費)
- 出産扶助(出産費用)
- 生業扶助(就労技能修得費等)
- 葬祭扶助(葬祭費用)
各扶助の支給額は、所在地や世帯人員、年齢等の要素によって変化します。国が定める最低生活費は、これら扶助の合計となります。
生活保護の根拠法令は生活保護法です。
elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000144
生活保護制度|厚生労働省
www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukush...
生活保護の要件等
生活保護は、個人単位でなく世帯単位で判定します。要件は以下の通りです。- 世帯収入が国の定める最低生活費に満たないこと。
- 世帯員全員の労働収入では不足すること。
- 世帯で受給する公的な年金や手当では不足すること。
- 世帯の預貯金が最低生活費の5割以内であること。
- 世帯に活用していない土地建物等の資産がないこと。
- 親族等からの援助がないこと。
上記要件を満たす必要があるので、生活保護を受ける場合、日常生活をする上で制約が加わります。
厚生労働省「第11回 社会保障審議会福祉部会 生活保護制度の在り方に関する専門委員会 説明資料 II 参考資料 4 保護開始時の手持ち金及び保険の取扱い」(平成16年5月18日)
www.mhlw.go.jp/shingi/2004/05/s0518-4b.html
生活保護のデメリット原則的に自動車を保有できない
例えば、自動車は資産として扱われるので、原則的に保有することができません。例外的に、障害がある場合や職場・病院までの公共交通手段がない場合には、資産価値(処分価値)が小さいなど一定の要件を満たせば、通勤・通院目的に自動車の保有が認められます。原則的に最低生活費の50%を超えて預貯金できない
また、生活保護費は、必要最低限の生活をするために支給されるものなので、最低生活費の50%を超えて預貯金をすることは原則的にできません。例外的に、耐久消費財の買い替えなど生活費を計画的にやりくりするためや、将来必要となる介護費用や子供の学費等のために、最低生活費の50%を超えて預貯金することが認められるケースもあります。生活保護費を原資に多額の預貯金をすると問題になるので、最低生活費の50%を超えて預貯金する場合、福祉事務所に事前相談することをお勧めします。自分が調べた限りでは、生活保護費の6ヶ月分以上の預貯金を保有すると、生活保護が取り消される可能性が高くなるようです。
答申(H29.8.14 保護廃止決定処分)- 東京都総務局
www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/12houmu/pdf/toushin...
平成30年度答申第23号 答申書 第1審 - 大阪府
www.pref.osaka.lg.jp/attach/27862/00305296/3019...
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保険についても掛捨て型以外は新規契約することが認められない可能性が高く、NISA(つみたて投資枠)やiDecoなどの積立投資をするのも絶望的です。生活保護を受給したまま、経済的自立を目指すのは非常に困難と言えます。
借金をすると生活保護費が減額される
また、生活保護を受給中に借入することはできますが、原則的に借金は収入と認定されるので、その分だけ生活保護費が減額されます。平成18(行ウ)10 生活保護費徴収処分取消請求事件|札幌地方裁判所
www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=37452
将来返済が予定されている借入金についても,当該借入れによって,被保護者の最低限度の生活を維持するために活用可能な資産は増加するのであるから,保護受給中に被保護者が借入れをした場合,これを原則として収入認定の対象とすべきである
クレジットカードの利用についても制約を受けます。利用自体に制約はありませんが、購入は生活必需品に限定されますし、分割払いはともかくリボ払いは認められないと思われます。また、生活保護の性格上、新たにクレジットカードを作ることは非常に困難です。
なお、上述の各制限事項に抵触したことが発覚すると、生活保護費の不正受給と認定される可能性があります。生活保護費の返還命令が実施されたり、生活保護が取り消されたり、最悪の場合は詐欺罪として刑事告訴されたりします。
生活扶助
最低生活費の基本となるものが生活扶助です。食費や被服費、水光熱費等に充当される性格の扶助です。生活扶助は以下の2本立てとなります。
- 生活扶助基準:所在地(給地区分)や世帯人員、年齢に応じて計算。
- 加算額:障害者加算や母子加算などを加算。
級地区分
地域における生活様式や物価差による生活水準の差を踏まえ、所在地を以下の6つに区分して、生活扶助の支給額が調整されます。- 「1級地-1」
- 「1級地-2」
- 「2級地-1」
- 「2級地-2」
- 「3級地-1」
- 「3級地-2」
「1級地-1」が最も支給額が多く、「3級地-2」の支給額が最も少なくなります。なお、「1級地-1」に該当するのは東京23区や大阪市、横浜市などの都市部です。
生活保護の給付例
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