NISA(少額投資非課税制度)とは (*2015年版)

NISAの特徴・メリットやデメリット、ローリスク運用法、ジュニアNISAとの比較について。 (*2015年版)
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*この資産運用情報は2015年時点のものです。直近のものは「NISA(少額投資非課税制度)とは」をご確認ください。

NISAのメリット(特徴)

 NISA(少額投資非課税制度)は2014(平成26)年1月から始まった制度で、以下のようなメリット(特徴)があります。
  1. 任意の金融機関にNISA口座を1つだけ開設することが可能。制約はあるが金融機関の変更も可能。
  2. 居住者等で20歳以上であれば誰でもNISA口座を開設することが可能。
  3. NISA口座で購入した上場株式や株式投信の売買益や配当金が非課税。
  4. NISA口座では年100万円(2016年からは年120万円)まで購入可能。
  5. 非課税期間は5年間(ロールオーバーを使えば延長可能)。
  6. 口座開設可能期間は2014年~2023年(非課税期間は最大で2027年まで活用可能)。

NISA口座は一人につき一つ

 NISA口座は証券会社だけでなく、銀行保険会社などでも口座開設が可能です。ただし、非課税対象の投資商品は、上場株式・REIT・ETF・株式投資信託に限定されるので、そのような商品を幅広く揃える証券会社を選ぶのが無難だと思われます。
 また、NISA口座に毎月自動積立したいのであれば、システム的に対応している金融機関を選択する必要があります。特定口座や一般口座では自動化されていても、NISA口座には対応していない、というケースも想定されるので注意が必要です。
 幸いなことに、2015年1月1日からは金融機関を1年単位で変更することが可能になったので、自分の投資スタイルに合わないと思えば乗り換えることができます。

誰でもNISA口座を開設できる

 居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者で、20歳以上であればNISA口座を開設することができます。NISA口座を開設できないのは、以下の場合に限られます。
  1. 20歳未満の居住者等(※後述するジュニアNISA口座は開設可能)
  2. 海外勤務等で居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者に該当しない者
 今までの非課税制度は、特定層を対象とするものばかりでした。高齢者や障害者等を対象とするマル優(少額貯蓄非課税制度)やマル特(少額公債非課税制度)、勤労者を対象とするマル財(勤労者財産形成貯蓄制度の非課税限度額)などです。特定層を対象としない非課税制度は、401Kプラン(確定拠出年金)ぐらいでしょうか(ただし制度自体が分かりづらい)。
 その点、NISA(少額投資非課税制度)は、20歳以上の居住者等という非常に緩やかな制限があるだけで、後述するジュニアNISAを含めれば、ほとんどの国民が利用できるオープンな非課税制度と言えます。

配当金や売買益が非課税

 非課税期間の配当金や売買益は、非課税です。
 配当金や収益の分配について非課税の適用を受ける場合、配当金等の受取方法として「株式数比例配分方式」を事前に選択しておく必要があります。配当金等を直接受け取ると非課税対象外になるので、NISA口座開設時に「株式数比例配分方式」の手続きをすることをお勧めします。

国内債券インデックス投信を活用したローリスク運用法

 預貯金や債券、公社債投資信託等といったリスクの低い資産は、NISAの対象外です。
 ただし、日本の公社債を対象とする投資信託の中には、課税上は「公社債投資信託」ではなく「株式投資信託」として取り扱われる商品があります。月次報告書等を確認したところ、ノーロードの国内債券インデックス・ファンドの大半は、株式投資信託として取り扱われるためNISAの対象となります。
 ローリスク・ローコストでNISAを利用したいのであれば、ノーロードの国内債券インデックス・ファンドは有力な選択肢となります。

金融機関破綻した場合

 あまり考えたくないことですが、金融機関破綻するリスクがあります。万一破綻した場合でも、公的な保護制度が用意されているので、保護される範囲等について取引前に確認しておくことをお勧めします。
金融機関等の破綻で保護される範囲
銀行・保険会社(生保、損保)・証券会社・先物取引業者が破綻した場合、公的に保護される範囲や信託銀行による分別管理について解説します。

年100万円(2016年からは年120万円)の購入枠

 NISAの正式名称「少額投資非課税制度」が示す通り、非課税枠には限度があります。2015年までは年100万円、2016年以降は年120万円です。非課税枠の未使用分を翌年に繰り越せませんし、売却した非課税枠の再利用もできません。
 後述するように非課税期間は5年間なので、2016年以降は合計600万円(=年120万円×5年)まで非課税枠を利用することが可能となります。
 これを多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれですが、毎月10万円ずつ積み立てると年120万円になりますし、個人的には結構大きな金額だと認識しています。
 なお、特定口座や一般口座において運用中の上場株式や株式投信等を、NISA口座に移すことはできません。あくまでも新規資金で購入した場合に限られます。

非課税期間は5年間(延長可能)

 NISAの最大のデメリットだと感じるのが、5年間という非課税期間です。非課税期間の終了後も非課税枠を使って継続保有(ロールオーバー)すれば延長可能ですが、それも最大で2027年までです。
 短期保有者にとってはあまり関係ないかもしれませんが、長期保有を目的にNISAを利用するのであれば、これは頭の痛い問題です。非課税期間が終了した時点で、投資商品を処分するか、強制的に課税口座(特定口座か一般口座)に移管するかを選択する必要が生じます。利益が出ていようが損失が出ていようが関係ありません。投資商品の処分時期をコントロールできないというのは、個人的には非常に大きなマイナスです。
 将来的には非課税期間が5年間から延長される可能性があります。仮に無期限となれば、NISAは非常に魅力的な制度になります。NISAの元となったイギリスのISAは、非課税期間が無期限です。楽観的な観測として、イギリスのISAと同様、非課税期間が無期限になるのではないかと考えています。

利用期間は2014年~2027年

 NISAは時限的な制度です。NISA口座を開設できるのが2014年から2023年まで、2023年に投資した分の非課税期間は5年後の2027年までとなります。
 2014年から2027年まで17年間も利用できるのに、なぜ非課税枠の合計が最大600万円(=年120万円×5年)なのでしょうか。その理由は、政府広報オンラインの下記「制度概要イメージ」を見ていだだくことで、ある程度イメージがつかめるかと思います。なお、2016年改正前の図なので非課税枠は「年100万円」となっています。

NISA(少額投資非課税制度)
新しい投資優遇制度「NISA(ニーサ)」がスタート!|政府広報オンライン

 上記イメージの通り、2014(平成26)年から2023(平成35)年まで10年に渡って年間非課税枠120万円を利用できるのですが、各年分の非課税期間が5年と区切られているため、最大600万円に限定されます。正直なところ分かりづらいですし、非課税期間の無期限化を切に望みます。

NISAのデメリット

 NISAの主なデメリットは以下の通りです。
  1. 非課税期間が5年間と限定的。
  2. 口座開設可能期間が2023年までと限定的。
  3. 非課税期間が終了した時点で強制決済される。
  4. 他の所得と損益通算ができないし、損失の繰越控除もできない。

 1.と2.のため、NISAは長期保有に向いていないと言わざるをえません。安定株主確保や投資家の裾野を広げるなど様々なメリットが考えられますし、長期保有者を優遇する政策を取ればいいと思うのですが…
 3.については前述したとおりで、投資商品の処分時期をコントロールできないというのは、長期保有者にとっては致命的だと思います。例えて言うならば、償還期限が決まっている投資信託に投資するようなものです。
 3.と4.については、利益が出ている場合には問題になりません。問題になるのは損失が出ていたときです。特に3.のNISAの非課税期間終了時に損失だと、目も当てられない状況に陥ります。
 例えば、100万円で購入した投資信託が、非課税期間終了時に40万円に値下がりしたケースを考えます。損切りしたくなければ、100万円で購入した投資信託は、取得価額40万円で特定口座か一般口座に移管されることになります。仮に、その後60万円まで戻したときに売却すると、利益20万円(=60万円-40万円)に対して課税されます。現実は40万円(=100万円-60万円)の損失であるにもかかわらず、更に利益とみなされる20万円に対する税金分を支払う必要があります。制度上仕方のないことですが、ちょっと理不尽に感じます。

 利益が出るのであればNISAは素晴らしい制度ですが、逆に損失が出ると、非課税期間が限定されている分、物凄く不利になります。
 よって個人的には、非課税期間が無制限である401Kプラン(確定拠出年金)の方が優れていると感じます。運用益が非課税ということに加え、拠出掛金が確定申告時に所得控除されるなどのメリットがあります。ただし、401Kを利用する場合、年間拠出限度額が少ない上に、60歳まで払い戻せないということに注意が必要です。

ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)のメリット(特徴)

 ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)は2016(平成28)年1月から始まる制度で、以下のようなメリット(特徴)があります。
  1. 任意の金融機関にジュニアNISA口座を1つだけ開設することが可能。同時に課税ジュニアNISA口座が開設される。金融機関の変更は不可(口座廃止後に再開設)。
  2. 居住者等で0~19歳の未成年者であれば誰でもNISA口座を開設することが可能。
  3. ジュニアNISA口座で購入した上場株式や株式投信の売買益や配当金が非課税。
  4. ジュニアNISA口座では年80万円まで購入可能(贈与税の税額計算に含まれるので注意)。
  5. 非課税期間は5年間(ロールオーバーを使えば20歳まで延長可能)。
  6. 口座開設可能期間は2016年~2023年。
  7. 原則的に口座開設者(未成年者)が18歳になるまで払い出し不可。
  8. 原則的に親権者等が代理運用管理を行なう。

 NISAとジュニアNISAの違いの一つとして、口座廃止した場合の課税の取り扱いがあります。NISAの場合は非課税ですが、ジュニアNISAの場合は非課税扱いだった配当益や売買益に課税されます。
 ジュニアNISAの口座を廃止した場合、当然ながら利益が出ているときは不利ですが、逆に損失が出ていれば有利に働く可能性があります。前述したように、NISAの場合、損失が出ても他の所得と損益通算できませんし、非課税期間のタイミングによっては損失があっても課税される可能性さえあります。ところが、ジュニアNISA口座を廃止すると課税に変更されるので、損失を他の所得と損益通算できますし、上述したような損失時に理不尽な課税が発生することもありません。
 19歳までの子ども(孫)がいる家庭は、NISAとジュニアNISAの同時活用を視野に入れた方がいいと思います。

参考

NISA(少額投資非課税制度)の手続きに関するQ&A
www.nta.go.jp/gensen/nisa/pdf/toshikaqa.pdf
ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)に関するQ&A
www.jsda.or.jp/sonaeru/oshirase/juniornisaqa.html
「職場積立NISAガイドライン」及び「『職場積立NISA』利用規約 雛形」について
www.jsda.or.jp/sonaeru/oshirase/shokubatsumitat...

注意事項

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