付加年金とは
老齢年金に上乗せする付加年金について。加入要件や掛金、優遇税制、デメリット、国民年金基金との比較等。
【最終更新】(※情報登録:2018/02/21)
【カテゴリ】保険年金
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付加年金とは、老齢年金に上乗せする国民年金1号被保険者のための年金制度で、国民年金法第八十七条の二に基づきます。
付加保険料の納付|日本年金機構
www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/fukan...
【目次】付加年金
付加年金のメリット(特徴)
- 65歳以降に上乗せ分の老齢年金を受給。
- 国民年金1号被保険者等が対象。
- 掛金は月400円。
- 優遇税制
- 納付時:掛金は全額所得控除。
- 受取時:年金は公的年金等の雑所得。
老齢年金の上乗せ
国民年金の付加保険料(付加年金)を支払うと老齢基礎年金が上乗せされます。上乗せ分は「200円×付加保険料納付月数」です。例えば、付加保険料を10年間納付した場合、掛金総額は48,000円(=400円×10年×12ヶ月)となります。その結果、老齢基礎年金が24,000円(=200円×10年×12ヶ月)上乗せ支給されるので、単純計算で年金を2年受給すればペイできることになるので、驚異的な年金上乗せ率と言えます。
ただし、付加年金は定額であり、老齢基礎年金と異なり物価スライドによる増減がないことに注意が必要です。
なお、老齢基礎年金を繰上(繰下)受給する際、付加年金も連動して同率で減額(増額)されます。
付加年金の加入要件
加入要件は以下の通りです。- 国民年金1号被保険者(20歳以上60歳未満の自営業者や自由業等)
- 60歳以上65歳未満の国民年金の任意加入被保険者
ただし、以下に該当する場合は加入できません。
- 国民年金の保険料の免除期間中
- 農業者年金の被保険者
- 国民年金基金の納付期間中
加入手続きは、市区町村役場や年金事務所で行います。
個人型確定拠出年金(iDeCo)と併用することが可能です。ただし、付加年金とiDeCoの掛金合計は、月68,000円が限度額となります。
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優遇された税制
所得税において優遇されているため、節税効果が見込まれます。- 納付時:掛金は全額所得控除。
- 受取時:年金は公的年金等の雑所得。
老齢年金の受給時には、公的年金等の雑所得として税制優遇されます。
老齢年金受給前に死亡し、遺族が死亡一時金を受け取る場合に限り、8,500円が上乗せ支給されます。ただし、付加年金を3年以上納めていることが要件です。死亡一時金は非課税です。
死亡一時金|日本年金機構
www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/1go...
付加年金のデメリット
驚異的な年金上乗せ率や税制優遇措置といったメリットがある反面デメリットもあります。老齢年金の受給資格がないと支給されない
国民年金の掛金を10年以上支払う必要があります。ただし、10年には免除期間も含まれますし、60歳以上65歳未満も国民年金に任意加入が可能なので、ハードルはさほど高くはありません。なお、国民年金の第1号被保険者でなくなると、付加年金の加入資格を失います。この場合、当然ながら掛金を支払うことができなくなります。
付加年金は物価上昇に対応していない
付加年金の上乗せ額は「200円×付加保険料納付月数」で固定されています。インフレ等の物価上昇に対応していないため、年金受給時に貨幣価値が下がる場合、損をする可能性があります。よって、長期間に渡って付加年金を払い込むのはインフレリスクがあります。なお、本体の老齢基礎年金は物価スライド制なので、インフレリスクをあまり気にしなくてもOKです。
老齢年金の受給前に死亡すると確実に損をする
付加年金は老齢基礎年金に上乗せしてセットで支給されるため、老齢基礎年金の受給前に死亡すると一切支給されません。例外として、付加年金を3年以上納めていて、かつ、遺族が死亡一時金を受け取る場合に限り、死亡一時金に8,500円が上乗せされます。その場合でも、付加保険料の総額は14,400円(=400円×3年×12ヶ月)以上になるので確実に損をします。
付加年金と国民年金基金の比較
老齢基礎年金に上乗せする公的年金制度としては、国民年金基金があります。付加年金と国民年金基金を比較してみます。
項目 | 付加年金 | 国民年金基金 |
---|---|---|
目的 | 老齢年金の上乗せ | |
加入条件 | 国民年金1号被保険者 | |
運用主体 | 日本年金機構 | 国民年金基金 |
予定利率 | - | 1.5% |
受取方法 | 終身年金 | 終身年金/定期年金 |
掛金 | 月400円 | 月68,000円が上限 |
年金開始 | 65歳(60歳~69歳) | 65歳/60歳 |
途中解約 | 不可 | |
根拠法令 | 国民年金法 |
国民年金基金は付加年金と同等の税制優遇措置がある反面、上記一覧表には掲載していませんが破綻リスクがあります。国民年金基金では掛金が高いことを含め、どう評価するかがポイントとなります。
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