iDeCo(確定拠出年金)で無理なく賢く節税

iDeCo(確定拠出年金:日本版401K)で賢く節税するポイントを解説。個人型年金(iDeCo)と企業型年金の違い、節税のポイント、ノーリスク運用法、NISAとの併用など。
【カテゴリ】保険年金  【ステップ】1. ゴールを決める 2. 貯める 4. 守る
【最終更新】(※情報登録:2010/07/26)
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確定拠出年金(日本版401K)の概要

 確定拠出年金は、アメリカ版401Kプランを参考に導入された年金制度で、2001年10月に施行された確定拠出年金法や確定給付企業年金法に基づきます。
 国民年金第2号被保険者(サラリーマン)の厚生年金基金と同様に、公的年金(国民年金や厚生年金)に上乗せされます。ちなみに、厚生年金基金は受取額が確定しているので確定給付型と呼ばれます。
 それに対して、確定拠出年金は掛金の額が確定している反面、受取額は運用実績によって変動し、場合によっては元本割れすることもあります。運用先は、本人が決めなければならないので、自己責任が強く求められます

確定拠出年金の種類

 確定拠出年金には個人型年金(iDeCo)と企業型年金があります。
項目 個人型年金(iDeCo) 企業型年金
拠出限度額 月12,000円~68,000円
(※加入者によって異なる)
月27,500円/55,000円
(※厚生年金基金の実施状況によって異なる)
掛金 掛金全額が所得税の所得控除対象。 掛金は企業が全額負担。
実施主体 国民年金基金連合会 企業型年金規約の承認を受けた企業
備考
【実施主体である企業のメリット】
・厚生年金基金と異なり追加費用負担なし。
・掛金全額を法人税の損金として処理。
選択制確定拠出年金の活用で節税
同族会社の節税:役員報酬と選択制確定拠出年金
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 個人型年金(iDeCo)の拠出限度額は加入者によって異なります。特にサラリーマンの場合、勤務先が企業型年金に加入しているかどうかで拠出限度額が変わるので注意が必要です。

個人型年金(iDeCo)の拠出限度額

加入者個人型年金
拠出限度額
企業型年金
確定拠出型確定給付型
サラリーマン月12,000円
×
月20,000円×
月23,000円×
公務員月12,000円
専業主婦月23,000円
自営業者等月68,000円

 企業型年金を実施する企業に勤務するサラリーマンは、企業型年金だけでなく、個人型年金にも加入できます。ただし、「企業型年金+個人型年金」の拠出限度額の合計は変わりません。

 例えば、個人型年金を限度額一杯まで拠出した場合、拠出限度額は以下のようになります。
①企業型年金②個人型年金拠出限度額
(①+②)
確定拠出型35,000円20,000円月55,000円
確定給付型15,500円12,000円月27,500円

 また、自営業者等(国民年金第1号被保険者)の個人型年金の拠出限度額は、国民年金基金の限度額(月68,000円)付加年金(月400円)と拠出限度枠を共有していることに注意する必要があります。
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付加年金とは
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確定拠出年金のメリット

  • 掛金
    • 個人型年金:掛金全額が所得税の所得控除対象
    • 企業型年金:「生涯設計手当」という形で企業が掛金全額を負担
  • 税金
    • 運用益:非課税
    • 給付金(*4種類)
      • 老齢給付金:一時金(退職所得)か年金(公的年金等の雑所得)を選択。
      • 障害給付金:非課税。(確定拠出年金法第32条第2項)
      • 死亡一時金相続税。3年以内に支給額が確定した場合、相続財産とみなされる退職手当等の非課税枠(=500万円×法定相続人数)に該当。
      • 脱退一時金:一時所得。(*特別な要件を満たした場合のみ)
  • 配分変更(毎月買い付ける運用商品の変更)の手数料が無料
  • スイッチング(保有資産の変更)の手数料が無料。ただし、運用商品によっては換金手数料(*信託財産留保額)が必要となる。
  • 給付金を差し押さえることができない。ただし、国税滞納時には老齢給付金と死亡一時金を差押え可能。(確定拠出年金法第32条)
  • 原則的に毎月一定額の掛金を拠出するが、2018年1月からは年単位拠出が可能(*加入者月別掛金額登録・変更届の提出が必要)。
  • 加入者は運用方法を指図することができる。
  • 選択肢が多いので順調な運用が続けば年金額が増える。
  • 離転職時には年金資産の移動が可能であり、かつ、課税されない。
  • 加入者は年金資産残高を常に把握できる。

確定拠出年金のデメリット

  • 特別法人税1.173%(2020年3月31日まで停止)が将来復活する可能性がある
  • 加入者は投資リスクを負うことになり、運用が不調であれば受給額が減る
  • 老齢給付金(年金額)が事前に確定しない。
  • 運用するために一定の知識が必要。
  • 原則的に60歳まで途中引き出しができない
  • 加入期間が10年未満の場合、最長65歳まで受給開始年齢が繰り下げられる
  • 口座管理料などの運用費用がかかる
  • 掛金の金額変更は年1回だけしかできない(掛金最低額5,000円。1,000円単位)。
  • 勤続期間が3年未満の場合には、年金資産の移動ができない可能性がある。
50歳以降にiDeCoに加入するメリットと注意点
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金融機関破綻した場合

 あまり考えたくないことですが、金融機関破綻するリスクがあります。万一破綻した場合でも、公的な保護制度が用意されているので、保護される範囲等について取引前に確認しておくことをお勧めします。
金融機関等の破綻で保護される範囲
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確定拠出年金の節税のポイント

A.運用益が非課税な点を狙う
運用益が非課税なので、節税に繋がりますし、複利効果も期待できます。
利回りの高い投資信託などで資産運用している場合、確定拠出年金に切り替えることを検討する価値があります。
iDeCoは60歳になると掛金を拠出できなくなりますが、運用については70歳まで可能なので、最長70歳まで運用益非課税の恩恵を受けることができます。
B.所得控除で節税をはかる
個人型年金の場合、月の掛金は加入者に応じて12,000円~68,000円、すなわち年額では144,000円~816,000円が最大になります。これらは全額、小規模企業共済等掛金控除として所得税において控除されます。所得税率が10%ならば14,400円~81,600円、20%ならば28,800円~163,200円、所得税の負担が減り、節税が実現します。
住民税についても全額控除されるので、税負担額はさらに減ります。
所得が多い人ほど所得控除の恩恵を受けることになります。
SBI証券の個人型ダイレクト401kプラン(確定拠出年金)
C.退職所得控除で節税をはかる
年金を一時金として一括受給することを選択した場合、退職所得控除が適用されるため節税できます。
控除額は、40万円×掛金拠出年数(掛金拠出年数が20年未満の場合)となります。
前年以前14年以内に別の退職所得(例:小規模企業共済の一括受取)がある場合、税負担が増える可能性が高くなるので注意が必要です(参考:小規模企業共済を無駄なく効率よく利用する)。
D.掛金の拠出期間を利用する
掛金の拠出が10年以上の場合、60歳以降(70歳まで)一括して年金受給をすることが可能です。
逆に言えば、50歳であれば10年後には引き出せるので、後述する定期預金で運用すれば「10年もの積立預金」となります。この場合、所得控除額を年利換算すると(所得金額によって変動しますが)相当な利回りになると思われます。
E.リスク分散して節税効果を高める
運用商品は株式投資信託が多いですが、定期預金債券型の投資信託も用意されています。
運営管理機関によりますが1円単位で運用商品を選べますし、手数料無料で運用商品を随時入れ替えることが可能なので、通常の金融商品に比べてリスク分散がしやすくなります。
運営管理機関によって運用商品は異なるので、口座管理料や各商品の手数料等を吟味した上で、運営管理機関を選択することをお勧めします。

定期預金を活用したノーリスク運用法

 リスクを回避するために定期預金で全額運用することも可能です。
 よって、口座管理料などの運用費用よりも所得控除の額が多い場合、以下の経済的利益を受けることになります。
  • 経済的利益=定期預金利子+所得控除-運用費用
 この場合、一金融機関1,000万円までなら元利保証されます。また、固定金利1年の自動継続型を選択することで、ある程度はインフレに備えることも可能です。

リスクとリターン

 iDeCo(*定期預金)のリスクとリターンは以下の通りです。 詳細を見る
iDeCo(*定期預金)
 投資中級者レベル (*かなり難しい)
 それなりのリターンが期待できる
ノーリスク (*リスク内訳)
 価格変動リスク
 信用リスク
 為替リスク
 流動性リスク
 金利変動リスク
 インフレリスク

個人型年金(iDeCo)の運用商品

 iDeCoの導入前に、運用方法についても検討しておく必要があります。魅力的な運用商品がなければ、iDeCoのメリットを最大限生かすことはできません。
 SBI証券「iDeCo(確定拠出年金積立年金プラン)」であれば、ノーリスクの定期預金等に加え、以下のようなインデックス投信が運用商品としてラインナップされています。おそらく運用商品が最も充実している運営管理機関だと思われます。もちろん購入手数料は全て無料です。
  【2018-08-31現在】
分類商品信託報酬換金手数料
株式国内三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド0.1728%0%
DCニッセイ日経225インデックスファンドA0.18252%0%
SBI TOPIX100・インデックスファンド<DC年金>0.2592%0%
先進国DCニッセイ外国株式インデックス0.20412%0%
iFree NYダウ・インデックス0.2430%0%
EXE-i 先進国株式ファンド0.3184%0%
新興国EXE-i 新興国株式ファンド0.3794%0%
三菱UFJ DC新興国株式インデックスファンド0.5940%0%
債券国内三菱UFJ 国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)0.1296%0%
先進国野村外国債券インデックスファンドDC0.2268%0%
新興国三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド0.5616%0%
REIT国内DCニッセイJ-REITインデックスファンドA0.2700%0%
先進国三井住友・DC外国リートインデックスファンド0.3024%0%
バランス型iFree 8資産バランス0.2376%0%
DCインデックスバランス(株式80)0.2160%0%
DCインデックスバランス(株式60)0.2052%0%
DCインデックスバランス(株式40)0.1944%0%
DCインデックスバランス(株式20)0.1836%0%
 

【注意】SBI証券が運用方法の選定・提示に関する基準の見直しに伴う除外予定ファンドのご案内を公表したことを受けて、除外予定対象ファンドを取り除き、存続予定商品のみをラインナップしました(2018-08-31)


 以上のようにSBI証券「iDeCo(確定拠出年金積立年金プラン)」は、様々な種類のインデックス投信を取扱っています。取扱っていないのは「新興国REIT」ぐらいでしょうか。
 信託報酬(*年間維持コスト)が低く設定されているのが目を惹きます。一般向けのインデックス投信(ノーロードのインデックスファンド比較)と同様に、iDeCo(個人型確定拠出年金)向けは信託報酬が安いです。また、換金手数料(*信託財産留保額)についても、0%のインデックス投信が大半です。

 リスクを取るのであれば上記のインデックス投信から、リスクを取りたくないのであれば下記の元本確保型商品から選べばOKです。一般的に、年金保険を中途解約する場合は解約控除が適用され元本割れする可能性があるので、スイッチング(預替え)には注意が必要です。
分類商品信託報酬換金手数料
定期預金あおぞらDC定期1年0%0%

SBI証券:iDeCo(確定拠出年金積立年金プラン)

 SBI証券「iDeCo(確定拠出年金積立年金プラン)」の主なメリットは以下の通りです。
  • 口座管理手数料が完全無料!
  • 低コストかつ豊富な運用商品。
  • 絶大な節税効果:[入口]所得控除・[運用中]運用益が非課税・[出口]退職所得控除。
SBI証券の個人型ダイレクト401kプラン(確定拠出年金)  

月額管理費が無料の会社

 iDeCo月額管理費が無料なのは上記のSBI証券だけではありません。以下のブログ記事で費用や運用商品などを比較していますので、ご利用いただければ幸いです。
iDeCo月額管理費の無料4社を比較してみた-1
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iDeCo運営管理手数料の無料化iDeCo(個人型確定拠出年金)の運営管理手数料の無料化が相次いでいます。 先陣を切ったのは、みずほ銀行でした。5/1より条件付きながらも毎月.. (2017/05/19更新)
iDeCo月額管理費の無料4社を比較してみた-2
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マネックス証券がiDeCo申込を9/30より開始:マネックス証券が9/30より申込開始する個人型確定拠出年金(iDeCo)の概要を公表しました。 【iDeCo】運営管理手数料を完全無料に.. (2017/09/13更新)

確定拠出年金の改正(※2017年1月)

 2015年4月、確定拠出年金法等の改正案が国会に提出されました。2001年に開始されてから、最もインパクトの大きい改正だと思われます。
 改正案によると、公務員や専業主婦に加え、企業型年金プランに加入している会社員も個人型年金プランを、2017年1月から新たに利用できるようになります。今まで個人型年金プランに加入可能だったのが、個人事業主と企業型年金プランに加入していない会社員だけだったので、対象範囲が大幅に広がることになります。
 個人的には、従来までの個人型年金プランの拠出掛金限度額をアップしてほしかったのですが、利用者増大によりサービス内容が拡充される可能性があるのでよしとします。

企業年金制度等の見直しに伴う税制上の所要の措置|厚生労働省
【追記1】2016年4月15日、確定拠出年金法等の改正案が参議院で可決されました。衆議院での審議を経て第190回国会で成立すると思われます。
【追記2】2016年5月24日、確定拠出年金法等の改正案が衆議院で可決され、法案は成立しました。
確定拠出年金(401K)の改正で変わること
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今回も前回に引き続き、401Kプランの運用レポート番外編です。 5月24日に、確定拠出年金法等の改正法案が衆議院で可決され、法案は成立しました。 今回の改正で大きく変わるのが、.. (2016/05/27更新)

確定拠出年金とNISAのダブル活用

 確定拠出年金には多くの非課税メリットがありますが、残念ながら拠出限度額はさほど大きくありません。個人型年金の場合、自営業者は月68,000円ですし、サラリーマンにいたっては最大で月23,000円です。そこで別の非課税制度であるNISAつみたてNISA・ジュニアNISA)を活用し、非課税枠の拡大をはかります。
 NISAの注意点としては(現時点では)非課税期間が制限されていることが挙げられます。利益が出ているときは問題ありませんが、損失が出ていると、損失がなかったことにされてしまうので不利になります。

 損失対策としてはローリスク資産に投資するのが一番なので、NISAにお勧めのローリスク投資商品の通り、国内債券を投資対象とするノーロード・インデックスファンドが無難だと思われます。
NISAにお勧めのローリスク投資商品
 最速資産運用 ma-bank.net
NISA(少額投資非課税制度)について調べている最中、どのような投資商品が相応しいのかを自分なりに考えていました。結果、限りなくローリスクかつ.. (2015/07/29更新)

 最長運用期間が20年のつみたてNISAを活用するのもありだと思います。損失が生じる可能性はありますが、運用期間が長いので損失リスクを低減することが可能です。毎月少しずつ積み立てていくのも堅実でいいと思います。
つみたてNISAとは
 最速資産運用 ma-bank.net
つみたてNISAの特徴・メリットやデメリット、NISAとの比較について。 (2017/10/27更新)

 非課税期間が無期限である確定拠出年金では上場株式やREITを中心にアクティブに投資し、非課税期間が制限されるNISAでは国内債券をメインにローリスク・ローリターンで投資する、というような使い分けもありかもしれません。
NISA(少額投資非課税制度)とは
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ジュニアNISAの特徴・メリットやデメリット、非課税口座の廃止と再開設、贈与などの活用方法、NISAとの比較について。 (2016/06/20更新)

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更新履歴

iDeCo(確定拠出年金)で無理なく賢く節税
確定拠出年金(401K)で合法的に節税 (*2010年版)
確定拠出年金(401K)で合法的に節税 (*2015年版)
確定拠出年金(iDeCo)で合法的に節税 (*2016年版)
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