おひとり様の金融資産のリアル

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　「家計調査報告（貯蓄・負債編）」「民間給与実態統計調査」「簡易生命表の概況」のデータを更新しました。

「最速資産運用」運営者より：

　金融広報中央委員会（知るぽると）の「家計の金融行動に関する世論調査［単身世帯調査］ 平成30年調査結果」から、単身者の金融資産保有状況等を考察してみます。
www.shiruporuto.jp/public/data/s...

　「各種分類別データ（平成30年）」の中から、金融資産や住居に関する年代別データをピックアップしてみます。
　

金融資産保有額（金融資産を保有していない世帯を含む）＜問2(a)＞

　単身者の場合、金融資産を保有していない世帯を含む場合の金融資産保有額の平均は744万円、中央値は50万円です。

　金融資産保有額について年代別に集計してみます。

年代	平均	中央値
20歳代	128万円	5万円
30歳代	317万円	40万円
40歳代	657万円	25万円
50歳代	1,043万円	100万円
60歳代	1,613万円	500万円

　40歳代までの各年代の金融資産保有額は、平均値が128万円～657万円、中央値が5万円～40万円となっています。平均値よりも中央値の方が実態に近いと思われるので、50歳未満の多くは金融資産が50万円以下と推測されます。
　50歳以上になると平均値は1,000万円を超えますが、それでも中央値は100万円（60歳代は500万円）です。老後資金の一つの目安は3,000万円ですが、平均値・中央値共に全く足りていないことが分かります。
　

金融資産目標残高＜問11＞

　単身者の場合、金融資産目標残高の平均は2,594万円、中央値は1,000万円です。

　金融資産目標残高について年代別に集計してみます。

年代	平均	中央値
20歳代	1,298万円	400万円
30歳代	2,514万円	1,000万円
40歳代	3,220万円	1,000万円
50歳代	3,556万円	1,750万円
60歳代	2,943万円	1,000万円

　各年代でバラツキはありますが、金融資産目標残高の平均は老後資金の一つの目安である3,000万円前後、中央値は1,000万円といったところでしょうか。平均値・中央値共に、目標額と実際の保有額とでは大きく乖離しています。
　

老後のひと月当たり最低生活費・年金支給時に最低準備しておく金融資産残高＜問25＞

　単身者の場合、老後のひと月当たり最低生活費の平均は月29万円、年金支給時に最低準備しておく金融資産残高の平均は2,163万円です。

　生活費と金融資産残高について年代別に集計してみます。

年代	生活費	金融資産残高
20歳代	月38万円	1,630万円
30歳代	月30万円	2,347万円
40歳代	月26万円	2,438万円
50歳代	月29万円	2,666万円
60歳代	月22万円	2,069万円

　各年代でバラツキはありますが、最低生活費は月20万円前後、必要な金融資産残高は2,000万円～2,500万円といったところでしょうか。必要な金融資産残高が、老後資金の一つの目安である3,000万円よりやや少ないのは興味深いところです。
　

住居の状況＜問20＞

　単身者の場合、住居の状況は、持家が27.6%、賃貸が72.4%となっています。

　住居の状況について年代別に集計してみます。

年代	持家	賃貸
20歳代	5.7%	94.3%
30歳代	10.1%	89.9%
40歳代	24.0%	76.0%
50歳代	41.8%	58.2%
60歳代	58.0%	42.0%

　意外だったのは60歳代でも持家が58%しかないことです。二人以上の世帯の持家率は80%以上と非常に高いですが、単身者の場合はそうとは言えないようです。
　

おひとり様の金融資産のリアルまとめ

　二人以上世帯に比べると、単身者の金融資産保有額や持家率などは少なくなります。一人より二人の方が稼ぐ力が大きくなりますし、結婚した方が資産を残しやすいのかもしれません。

　老後にどれだけお金が必要なのかは、年金受給額や持家の有無など人それぞれですが、単身者の統計データを見る限り、ライフプランの見直しや老後対策などが必要だと感じます。

【関連タグ】老後/介護 資産運用全般

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