月153億円を民間銀行は日銀から受取｜日銀当座預金残高（2016年3月）

日本銀行が「業態別の日銀当座預金残高（3月）」を4/18に公表しました。この資料をベースに、2/16から始まったマイナス金利政策の動向を確認します。www.b..

【情報公開日】2016/04/21　【関連タグ】マイナス金利の影響金融株式

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「最速資産運用」運営者より：

　日本銀行が「業態別の日銀当座預金残高（3月）」を4/18に公表しました。この資料をベースに、2/16から始まったマイナス金利政策の動向を確認します。
www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

　まずは、おさらいです。
　日銀当座預金残高は、以下のような3階層に分かれます（マイナス金利の実態とその影響：定期預金の金利動向（2016年2月）参照）。

基礎残高（年0.1％のプラス金利を適用）
マクロ加算残高（ゼロ金利を適用）
政策金利残高（年▲0.1％のマイナス金利を適用）

　「業態別の日銀当座預金残高（3月）」を一覧化します。

日銀当座預金残高（2016年3月）　単位：億円

項目	プラス金利	ゼロ金利	マイナス金利	計
都市銀行	813,290	145,850	21,160	980,300
地方銀行	151,680	39,090	6,120	196,890
第二地銀協加盟行	38,710	4,360	70	43,140
外国銀行	209,560	620	27,140	237,320
信託銀行	161,850	31,080	114,740	307,670
その他準備預金制度適用先	536,200	42,980	114,010	693,190
準備預金制度非適用先	189,100	5,430	14,000	208,530
合計	2,100,390	269,410	297,240	2,667,040

　プラス金利の対象となる基礎残高は210兆390億円、マイナス金利の対象となる政策金利残高は29兆7,240億円ということが分かります。

　次に上記残高について手数料を求めます。プラス金利は年0.1％、マイナス金利は年▲0.1％です。なお、期間は3/16から4/15なので31日間で計算しました。

日銀当座預金残高（2016年3月）にかかる手数料　単位：億円

項目	プラス金利	マイナス金利	計
都市銀行	69.07	▲1.8	67.27
地方銀行	12.88	▲0.52	12.36
第二地銀協加盟行	3.28	▲0.01	3.27
外国銀行	17.79	▲2.31	15.48
信託銀行	13.74	▲9.75	3.99
その他準備預金制度適用先	45.54	▲9.69	35.85
準備預金制度非適用先	16.06	▲1.19	14.87
合計	178.38	▲25.25	153.13

　日本銀行が民間銀行に178.38億円の手数料を支払う（プラス金利）反面、民間銀行が日本銀行に25.25億円の手数料を支払う（マイナス金利）ことになります。すなわち153.13億円（＝178.38億円－25.25億円）が、日本銀行から民間銀行に支払われたという訳です。

　上記手数料の月別推移は以下の通りとなります（前月分はマイナス金利の影響とその実態－２｜日銀当座預金残高（2016年2月）参照）。

項目	①プラス金利	②マイナス金利	計	比率(①÷②)
2016年2月	165.7	▲18.35	147.35	9.03
2016年3月	178.38	▲25.25	153.13	7.06

　2016年2月の差引手数料は147.35億円だったので、民間銀行が日本銀行から受け取る手数料は前月比で5.78億円（＝153.13億円－147.35億円）増加したことになります。計算期間が2月に比べると2日多かったとは言え、増えているとは思いませんでした…

　その反面、プラス金利分とマイナス金利分の比率が、前月比で9.03倍から7.06倍に低下しています。
　民間銀行の受け取り比率が減っているので、様々な方面に影響が出ていきそうです。

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