三菱UFG証券HDの2段階格上げとG-SIBs・TLAC｜金融機関の格付け動向：2016年7月

公開日:2016/07/04

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「最速資産運用」更新状況：

銀行格付け比較ランキングを更新

　164件の銀行・信用金庫・信用組合の信用格付けについて確認したほか、レイアウトを微調整しました。

保険会社比較ランキング(格付/売上/利益)を更新

　51件の生命保険会社と損害保険会社の信用格付け、及び、取扱い保険商品について確認したほか、レイアウトを微調整しました。

「最速資産運用」運営者より：

　ムーディーズ・ジャパンが三菱UFJ証券ホールディングスの格付けをA1からA3に格上げしています。

[MJKK]三菱UFJ証券ホールディングスと事業子会社及び関連会社の格付を三菱UFJフィナンシャル・グループと同一のA1/P-1に格上げ
www.moodys.com/researchdocumentc...

　格付け会社が一気に2段階格上げすることは珍しいので、内容について確認してみました。

　上記プレスリリースによると、三菱UFJ証券ホールディングスが、親会社である三菱UFJフィナンシャル・グループと同一水準のサポートを日本国政府から受ける可能性が高いことを理由に挙げています。具体的には、

日本の金融庁が 2016 年 4 月 15 日に公表した、グローバルなシステム上重要な銀行（G-SIB）に選定されている日本の銀行グループ 3 社に関する破綻処理の枠組みが、ムーディーズの評価を支えている。この発表において、金融庁は破綻処理以外の措置を講じる可能性を表明し、予防的措置としてのサポートを例示した。

と言及されていたので、金融庁のプレスリリースについても確認してみます。

金融システムの安定に資する総損失吸収力（TLAC）に係る枠組み整備の方針について｜金融庁
www.fsa.go.jp/news/27/ginkou/201...

　いわゆる「大きすぎて潰せない金融機関」の破綻処理に関するものです。
　仮に金融機関の損失が危機的なレベルに達しても、親会社である持ち株会社がその損失を吸収することで、通常通り営業を継続することを想定しているようです。
金融システムの安定に資する総損失吸収力（TLAC）に係る枠組み整備の方針について｜金融庁

　今回の場合、以下のような位置付けになります。

持ち株会社：三菱UFJフィナンシャル・グループ
主要子会社：三菱UFJ証券ホールディングス

　三菱UFJ証券ホールディングスが破綻状態に陥った場合でも、その損失を親会社である三菱UFJフィナンシャル・グループが吸収した上で、通常通り営業を継続します。なお、親会社の三菱UFJフィナンシャル・グループは「G-SIBs」に指定されているので、必要に応じて日本政府が破綻持株会社として特定認定して法的処理を進めます。

　グローバルなシステム上重要な銀行（G-SIBs：Global Systemically Important Banks）についても確認してみました。

G-SIBs及びD-SIBsの指定について｜金融庁
www.fsa.go.jp/news/27/20151204-4...