エンジェル税制の最適化

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エンジェル税制を追加

 エンジェル税制の優遇措置、適用対象企業(ベンチャー企業)の要件、個人投資家の要件、エンジェル税制の手続きや注意点等について。

起業を更新

 内容を最新情報に更新した上で、会社設立と個人事業の比較を追加しました。

「最速資産運用」運営者より:

 エンジェル税制の存在自体は以前から知っていたのですが、様々な理由によりあまりメリットを感じていませんでした。ところが、起業エンジェル税制の更新作業をしている最中、適用要件を誤解していたことに気付きました。

エンジェル税制|経済産業省
www.meti.go.jp/policy/newbusines...
エンジェル税制|経済産業省
 経済産業省に「事前確認申請」しているベンチャー企業に限定されると思い込んでいたのです。よく読めば「事前確認申請」は絶対要件でないことに気付きますが、その当時は見逃していました。
 また、ベンチャー企業の新規性要件についても誤解しており、売上高成長率が要件となるケースを見落としていました。新事業活動従事者等や試験研究費等の要件に比べると、物凄く緩い要件だと感じます。
 

エンジェル税制のメリット

 エンジェル税制の最大のメリットは、ベンチャー企業へ投資した年に受けられる所得税の優遇措置です。優遇措置は2つあり、いずれか片一方を選ぶことになります。
  • 優遇措置A:寄附金控除(*ベンチャー企業への投資額-2,000円)
  • 優遇措置B:他の株式譲渡益から控除
 優遇措置Aの投資額の上限は、①総所得金額×40%と、②1,000万円のいずれか低い方になります。なお、優遇措置Bは投資額全額が対象となります。

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エンジェル税制の新規性要件

 エンジェル税制の適用を受けるためには、ベンチャー企業の新規性要件を満たす必要があります。詳しくはエンジェル税制の「適用対象企業(ベンチャー企業)の要件 2. 新規性要件を満たすか?」をご確認ください。

 新規性要件には以下のものがありますが、設立経過年数に応じて適用要件等が変化するので注意が必要です。
  1. 研究者等
  2. 試験研究費等
  3. 売上高成長率
 上記1.は、研究者等が2人以上で常勤社員の10%が要件なので、小規模のベンチャー企業は適用を受けることは難しそうです。
 上記2.は、試験研究費等が収入の3%(5%)超が要件なので、研究開発に力を入れることができない場合、適用を受けることは難しそうです。
 上記3.は、売上高成長率が25%超が要件なので、業種や従業員数等に関係なく、全てのベンチャー企業にチャンスがあります。

 よって、優遇措置A(寄附金控除)においては、設立後2年以上3年未満の「売上高成長率25%超」&「直近の営業キャッシュフローが赤字」が最も緩い要件だと思われます。
 また、優遇措置B(他の株式譲渡益から控除)では、設立後2年以上5年未満の「売上高成長率25%超」が最も緩い要件だと思われます。
 

エンジェル税制における理想的な株主構成

 また、エンジェル税制の適用を受けるためには、①ベンチャー企業と、②個人投資家のそれぞれの要件を満たす必要があります。両者に共通する要件として、株主要件があります。詳しくはエンジェル税制の「適用対象企業(ベンチャー企業)の要件 3. 株主要件等を満たしているか?」と「個人投資家の要件」をご確認ください。

A. 出資者全員が株主要件を満たすケース

 6人が150万円ずつ出資してベンチャー企業を設立するとします。
 出資割合は各16.7%であり、特定株主グループ(30%以上)に該当しないので、ベンチャー企業の株主要件を満たします。また、3人の株主の出資割合は50%なので、同族会社(3人以下が50%超)に該当しません。よって、出資者は全員、エンジェル税制の株主要件を満たすことになります。
 すなわち、6人以上が等分の出資した場合、出資者全員がエンジェル税制の株主要件を満たすことになります。

B. 創業者以外の出資者全員が株主要件を満たすケース

 創業者が51%~82%を出資してベンチャー企業を設立するとします。
 創業者1人で50%超を保有し、保有数が6分の5を超えていないので、ベンチャー企業の株主要件を満たします。また、創業者1人で50%超を保有しているので、創業者以外の出資者は全員、エンジェル税制の株主要件を満たすことになります。
 

エンジェル税制の最適化

 会社を設立する際、消費税の新規設立時の免税要件や住民税の均等割り額などを考えると、資本金1,000万円未満が最も節税効果が高くなります。

 以上のことをまとめると、エンジェル税制を最適化するベンチャー企業の要件は以下の通りとなります。
  1. 未上場の株式会社で、風俗営業等を行なわない。
  2. 資本金1,000万円未満。
  3. 株主6人以上が金銭の払込により等分の出資。
  4. 個人投資家が出資時、設立後2年以上3年未満で「売上高成長率25%超」&「直近の営業キャッシュフローが赤字」。
 上記3.を「創業者が51%~82%を出資」に変更することで、創業者以外の出資者全員が要件を満たすことになります。
 上記4.は、優遇措置B(他の株式譲渡益から控除)の適用を受ける場合、設立後2年以上5年未満の「売上高成長率25%超」に変更しても大丈夫です。

 特に高額納税者の場合、所得税の最高税率が40%+αとなり、エンジェル税制の優遇措置A(寄附金控除)の適用を受けるメリットは大きいです。ベンチャー企業への投資案件を打診された場合、エンジェル税制を含めて検討する価値はあると思います。

 なお、投資を行なった年の12月31日時点で株式を保有していることがエンジェル税制の適用要件です。それゆえ、ベンチャー企業の株式を取得後に翌年売却しても、エンジェル税制の適用を受けることが可能となります。極端な話、エンジェル税制の優遇措置を受けるためだけに、ベンチャー企業の株式を短期間保有することもOKなのです。
 せっかくの政策減税ですので、うまく活用したいところです。

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2016/08/24更新
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