人工知能(AI)と雇用と教育投資|井上智洋「人工知能と経済の未来」
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AI(人工知能)をめぐる動きが活発化しています。チェスや囲碁、将棋では人間と互角以上の戦績を残していますし、自動運転技術や無人戦闘機など様々な分野で開発が進んでいます。今後これら一連の流れが経済活動に与えるインパクトは、多大なものになると予想されます。先日「人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊」を読みましたが、この本では主に人工知能と雇用の関係性について言及されています。人工知能が人間レベルの知性を持ち、雇用を脅かすような時代が、間近に迫っているのでしょうか?
- 人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊
- 著 者: 井上 智洋
出版者: 文藝春秋
出版日: 2016年07月21日頃
備 考: 「人工知能によって経済は、社会は、政治はどこに向かうのか? 未来を知るための必読書」--飯田泰之氏絶賛!人工知能(AI)が目覚しい発展を遂げています。小説を書いたり、囲碁をしたり、日々ニュースを賑わせています。また、AIを搭載したロボットも活躍しています。pepperは感情を読み取れますし、ダヴィンチは外科手術をこなしますし、iPhoneに搭載されているSiriは道案内もしてくれます。このまま技術開発が進んでいくとどうなるのか……? 2045年に起こると噂される「シンギュラリティ」より前、2030年には、AIが人間の頭脳に追いついてしまう可能性があるのです。ホワイトカラー事務職は真っ先に職を奪われます。医者も弁護士も失業の危機に瀕しています。最大で人口の9割が失業する可能性もあると筆者は推計しています。一部の資本家以外の労働者は飢えて死ぬしかないのでしょうか?AIによって奪われた労働は、BIで補完しよう! マクロ経済学者である筆者はそう訴えます。BIとはベーシックインカムのこと。社会保障をBIに一元化して、子供から大人まで一律の生活保障を支給するという仕組みです。AIの未来、資本主義の未来、労働の未来、社会保障の未来まで、気鋭の経済学者が語りつくします!
文明の進化により職業の存亡が繰り返されている歴史的事実を考慮すると、人工知能の能力の高まりによって「なくなる職業」(P.32)が続出すると思われます。では、どのような職業がなくなるのでしょうか?
この本では職業を単純化して以下の3つに分けています(P.34)。
- 肉体労働(低所得)
- 事務労働(中間所得)
- 頭脳労働(高所得)
現在アメリカではコンピュータやインターネットの発達により、「2.事務労働」に属する雇用が減っているようです。雇用は「1.肉体労働」や「3.頭脳労働」に流れるため、『労働市場の「二極化」』(P.35)が進んでいると言われています。
更には、人工知能が今後発達すると、上記の「2.事務労働」だけでなく「1.肉体労働」や「3.頭脳労働」の多くが人工知能に代替されるという予想さえあります。
人工知能が多くの雇用を代替するようになるのは、人工知能が全人類の知性を超える頃(シンギュラリティ)です。人間よりも賢い人工知能が人間の代わりに労働してくれるのですから、人間にしかできない仕事は激減すると考えられます。
Googleの人工知能開発部門の責任者である未来学者レイ・カーツワイル氏によると、このシンギュラリティ(技術的特異点)は2045年前後に訪れるとのことです。1台のパソコンが全人類の知性を超える時期は、技術革新の速度から2045年頃と推測されるからです。今から30年後ですか…
先進的なAI研究者が言語の壁を乗り越えた先に夢見ているのは「汎用人工知能」(汎用AI)の実現です。
(中略)
汎用AIは、あらゆる課題・目的に対応できるようなAIです。
(中略)
今、世の中に存在するAIは全て「特化型人工知能」(特化型AI)です。(P.77)
(中略)
汎用AIは、あらゆる課題・目的に対応できるようなAIです。
(中略)
今、世の中に存在するAIは全て「特化型人工知能」(特化型AI)です。(P.77)
ところで、人工知能がシンギュラリティに到達する前に、越えなければならない壁がいくつか存在します。その一つが言語の壁であり、汎用人工知能の実現です。
現在の人工知能(チェスや囲碁、自動運転技術等)は、全て特化型人工知能です。人工知能の能力がどんなに優れていても、特定分野に限定されるのであれば、人間の代わりに労働可能な分野も限定的となります。よって、現時点において人工知能が雇用を奪うのは、局所的な職業にとどまります。
この本においては、言語の壁を超えた上で、汎用人工知能が実現する時期を2030年と予想しています(P.84)。人間と同様に汎用な知能を持つ人口知能が、わずか15年後に実現されるのです。更には、汎用人工知能の実現(2030年)からシンギュラリティ(2045年)までの間に「なくなる職業」が増加し、多くの雇用が人口知能に代替される訳です。
筆者は、
2045年には、内実のある仕事し、それで食べていけるだけの収入を得られる人が1割程度しかいない可能性がある(P.167)
とまで言及しています。と言うことは、9割の人が人工知能に仕事を奪われるので「失業率90%」ということですか…そのような未来が本当に来るかどうか分かりませんが、実現可能性はゼロでありません。コンピュータや人工知能は引き続き加速度的な進化が予想されるので、汎用人工知能やシンギュラリティが実現する社会について、ある程度想定しておいた方が無難だと思われます。もちろん「なくなる職業」についても覚悟しておくべきでしょう。
例えば、以下のような対応策が考えられます。
- 人間にしかできない仕事をする。
- 人工知能の提供側になる。
上記2.の方が実現可能性が高いですが、これまた簡単ではありません。既に人工知能をめぐる競争は熾烈です。新規参入や起業の困難さを考えると、人工知能で伸びる可能性がある会社の株式を保有することが現実的でしょう。そのためには、会社の将来性を的確に判断する能力だけでなく、決算書や有価証券報告書を理解する能力もあった方がいいと思います。もちろん、株式投資をするための資産的裏付け(資産運用)も必要ですが。
ところで、子育て世代は、子供に対してどのような教育をすればいいのでしょうか。
汎用人工知能は15年後、シンギュラリティは30年後に到来する可能性があります。言い換えると、汎用人工知能やシンギュラリティを前提にするのであれば、15年後や30年後を見え据えた教育が求められる訳です。おそらく従来の教育では、あまり役に立たないと思われます。
教育投資については、「人間にしかできない仕事」に就くとか、あるいは、人工知能の提供側になることを目的にしないと、無駄になってしまう可能性があります。少なくとも、単なる「事務労働」従事者になることを目的とした教育投資は、ほとんど意味がないでしょう。
なお、労働力(人的資本)については、橘玲「大震災の後で人生について語るということ」を読んで感じたこと(主に人的資本)においても言及しているので参考にしていただければ幸いです。
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2016/09/21更新
前述した通り、シンギュラリティが到来する2045年以降、雇用の9割が消失する可能性があります。仮に「労働者10%・失業者90%」となれば、深刻な貧困問題を引き起こします。
そこで筆者はベーシックインカム(BI)の導入を提唱しています(P.203~)。ベーシックインカムとは、全国民に対して毎月一定額を一律支給する制度で、生活保護とは異なり非常にシンプルな貧困対策です。ベーシックインカムの問題点の一つである労働意欲(生産性)の低下についても、人工知能が人間の代わりに働くので問題ないでしょう。しかも人間がやるよりも生産性が向上する可能性が高いと思われます。
人工知能の進化により、人間は労働する必要がなくなるという、夢のような世界の到来です。
ですが、本当にそのようなことが起こるのでしょうか(経験上そのような理想郷は実現しないように感じますが)。
確かなのは「未来は誰にも分らない」ということです。汎用人工知能やシンギュラリティが実現するかどうかさえ分かりません。ただし、人工知能が今後とも進化することや、ある程度の雇用を奪うことは、ほぼ確定的です。人工知能の重要性は今後ますます高まることでしょう。
人工知能について極端に構えたり怯えたり必要はありませんが、以下の2点については心にとめておいた方がいいと思います。
- 人間にしかできない仕事をする。
- 人工知能の提供側になる。
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サイト利用者の方より、加算税・延滞税の計算に関して以下のようなご指摘をいただきました。
すみません。返信ありがとうございます。修正申告の件ですが、加算税は所得税納税額-当初納税額の差額税額に掛かるのではないでしょうか。すみませんが宜しくお願い致します。(2016-09-27)
その通りです。深く確認することなく誤った回答をしてしまい、申し訳ありませんでした。なお、前回の回答については修正しました。ご指摘いただき、ありがとうございました。随時ご意見ご要望を承っております。各ページの最下部にフォームを用意していますので、お気軽にご利用いただければ幸いです。
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