世界住宅水準ランキング2019年5月（日本は40ヶ国中22位）

　

　経済協力開発機構（OECD）は加盟国に関する様々な統計データを取得しています。今回はその中から住宅にまつわる興味深いデータについて紹介します。
　

住宅総合ランキング

OECD Better Life Index Housing
www.oecdbetterlifeindex.org/topics/housing/

　「OECD Better Life Index Housing」は住宅に関する総合的なランキングです。上図の通り、住宅総合ランキングは以下のようになります。
　

順位	前回 順位	国名
1	1	アメリカ
2	2	ノルウェー
3	3	オーストラリア
4	4	カナダ
5	6	韓国
6	5	ベルギー
7	7	オランダ
8	8	アイルランド
9	10	スウェーデン
10	15	エストニア
11	11	スロベニア
12	12	ドイツ
13	17	スペイン
14	9	ルクセンブルク
15	16	フランス
16	14	スイス
17	18	ポルトガル
18	23	デンマーク
19	21	ニュージーランド
20	22	オーストリア
21	19	フィンランド
22	25	日本
23	24	ハンガリー
24	20	イギリス
25	13	チリ
26	－	リトアニア
27	26	アイスランド
28	28	イタリア
29	27	イスラエル
30	30	チェコ
31	32	ギリシャ
32	29	トルコ
33	－	コロンビア
34	33	ポーランド
35	36	ブラジル
36	34	ロシア
37	35	スロバキア
38	37	ラトビア
39	31	メキシコ
40	38	南アフリカ

　
　住宅総合ランキングの1位はアメリカで、ノルウェーとオーストラリアが続きます。日本は22位と前年25位からランクアップしています。

　ところで、調査時点（2019年5月）でのOECD加盟国は36ヶ国ですが、OECD非加盟国のロシアとブラジル、南アフリカ、コロンビアの4ヶ国が含まれているので、合計40ヶ国（＝36ヶ国＋4ヶ国）の統計データとなります。なお、前年は38ヶ国だったので2ヶ国増えました。今回から統計データに加わった国は、2018年7月にOECDに加盟したリトアニアと、2018年6月にOECD加盟承認を受けて現在国内批准手続き中のコロンビアです。

Better Life Index
stats.oecd.org/Index.aspx?DataSetCode=BLI

　今から紹介する「住宅支出」「基本設備」「1人あたり部屋数」の各ランキングについては、2019年5月時点の上記データベース（Better Life Index）から作成しています。上述の住宅総合ランキングは、この3つのランキングを総合的に評価したものだと思われます。
www.oecd.org/statistics/OECD-Better-Life-Index-...
　
　

住宅支出

　2019年5月時点の住宅支出（Housing expenditure）のランキングは以下の通りです。住宅支出とは、家計に占める住宅費の割合となります。

順位	国名	住宅支出
1	ニュージーランド	26％
2	イギリス	26％
3	チェコ	24％
4	アイスランド	24％
5	デンマーク	23％
6	フィンランド	23％
7	ギリシャ	23％
8	イタリア	23％
9	スロバキア	23％
10	ラトビア	23％
11	カナダ	22％
12	日本	22％
13	ポーランド	22％
14	スイス	22％
15	オーストリア	21％
16	ベルギー	21％
17	フランス	21％
18	ルクセンブルク	21％
19	ポルトガル	21％
20	スペイン	21％
21	オーストラリア	20％
22	ドイツ	20％
23	アイルランド	20％
24	メキシコ	20％
25	トルコ	20％
26	ハンガリー	19％
27	オランダ	19％
28	スウェーデン	19％
29	アメリカ	19％
30	リトアニア	19％
31	チリ	18％
32	ロシア	18％
33	スロベニア	18％
34	南アフリカ	18％
35	ノルウェー	17％
36	エストニア	17％
37	コロンビア	17％
38	韓国	15％

　住宅支出ランキングの1位はニュージーランド（26%）で、アイスランドやイギリス等が続きます。上位に国土面積が狭い国が多くランクインしているのが目立ちます。日本（22%）は12位と前年14位から少し順位を上げました。なお、OECD全体の平均は20%となっています。
　

水洗トイレ普及率

　2019年5月時点の基本設備のない住宅（Dwellings without basic facilities）に関するランキングは以下の通りです。基本設備とは住宅内にある個人用水洗トイレのことで、普及率で順位付けしています。

順位	国名	水洗トイレなし
1	アイスランド	0％
2	ノルウェー	0％
3	スウェーデン	0％
4	オランダ	0.1％
5	スペイン	0.1％
6	スイス	0.1％
7	アメリカ	0.1％
8	カナダ	0.2％
9	ドイツ	0.2％
10	イギリス	0.3％
11	スロベニア	0.4％
12	デンマーク	0.5％
13	フィンランド	0.5％
14	フランス	0.5％
15	ギリシャ	0.5％
16	ルクセンブルク	0.5％
17	チェコ	0.7％
18	イタリア	0.7％
19	オーストリア	0.9％
20	アイルランド	1％
21	ポルトガル	1％
22	スロバキア	1.2％
23	ベルギー	1.9％
24	韓国	2.5％
25	ポーランド	3％
26	ハンガリー	4.7％
27	日本	6.4％
28	ブラジル	6.7％
29	エストニア	7％
30	トルコ	8％
31	チリ	9.4％
32	リトアニア	13.6％
33	ラトビア	13.9％
34	ロシア	14.8％
35	コロンビア	23.9％
36	メキシコ	25.5％
37	南アフリカ	37％

　水洗トイレ普及率ランキングの1位はアイスランドやノルウェーなど3ヶ国が並んでいます。日本は27位と前年31位より順位を上げています。なお、水洗トイレがない住宅の割合は、OECD平均で4.4%となっています。
　

1人あたり部屋数

　2019年5月時点の1人あたり部屋数（Rooms per person）のランキングは以下の通りです。1人あたり部屋数とは、住宅内の部屋数を、居住人数で割ったものです。

順位	国名	1人あたり部屋数
1	カナダ	2.6部屋
2	ニュージーランド	2.4部屋
3	アメリカ	2.4部屋
4	ベルギー	2.2部屋
5	アイルランド	2.1部屋
6	ノルウェー	2.1部屋
7	デンマーク	1.9部屋
8	フィンランド	1.9部屋
9	日本	1.9部屋
10	ルクセンブルク	1.9部屋
11	オランダ	1.9部屋
12	スペイン	1.9部屋
13	スイス	1.9部屋
14	イギリス	1.9部屋
15	フランス	1.8部屋
16	ドイツ	1.8部屋
17	ポルトガル	1.7部屋
18	スウェーデン	1.7部屋
19	オーストリア	1.6部屋
20	アイスランド	1.6部屋
21	エストニア	1.6部屋
22	韓国	1.5部屋
23	スロベニア	1.5部屋
24	リトアニア	1.5部屋
25	チェコ	1.4部屋
26	イタリア	1.4部屋
27	ギリシャ	1.2部屋
28	ハンガリー	1.2部屋
29	チリ	1.2部屋
30	イスラエル	1.2部屋
31	ラトビア	1.2部屋
32	コロンビア	1.2部屋
33	ポーランド	1.1部屋
34	スロバキア	1.1部屋
35	メキシコ	1部屋
36	トルコ	1部屋
37	ロシア	0.9部屋

　1人あたり部屋数ランキングの1位はカナダ（2.6部屋）で、ニュージーランドとアメリカが続きます。なお、OECD全体の平均は1.8部屋となっています。
　日本（1.9部屋）は9位と前年13位からランクアップしました。日本では以前より1人あたりの部屋数は増えましたが、少子化や空き家増加等を考慮に入れると、居住環境が良くなったと手放しで喜ぶことは難しいと思われます。

　こうしてOECD加盟国等をランキング比較すると、住宅においても格差が存在することを実感しますが、お金や教育に比べるとその差は大きくない印象です。ただ、OECD諸国以外の国々を含めると、住宅の格差は更に拡大すると思われるので、一概に格差は少ないとは言い切れません。

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