世界教育水準ランキング2019年5月（日本は40ヶ国中7位）

　

　経済協力開発機構（OECD）は加盟国に関する様々な統計データを取得しています。今回はその中から教育にまつわる興味深いデータについて紹介します。
　

教育総合ランキング

OECD Better Life Index Education
www.oecdbetterlifeindex.org/topics/education/

　「OECD Better Life Index Education」は教育に関する総合的なランキングです。上図の通り、教育総合ランキングは以下のようになります。
　

順位	前年 順位	国名
1	1	フィンランド
2	2	オーストラリア
3	18	エストニア
4	3	デンマーク
5	11	カナダ
6	5	スロベニア
7	6	日本
8	7	スウェーデン
9	8	ポーランド
10	4	ドイツ
11	10	韓国
12	15	チェコ
13	20	ベルギー
14	12	オランダ
15	9	アイルランド
16	14	ノルウェー
17	13	スイス
18	－	リトアニア
19	17	ラトビア
20	21	アメリカ
21	19	ニュージーランド
22	16	アイスランド
23	24	イギリス
24	22	ロシア
25	23	オーストリア
26	25	フランス
27	31	ギリシャ
28	26	ハンガリー
29	27	スロバキア
30	28	イスラエル
31	29	スペイン
32	30	ルクセンブルク
33	32	イタリア
34	33	ポルトガル
35	34	チリ
36	35	トルコ
37	37	南アフリカ
38	36	ブラジル
39	－	コロンビア
40	38	メキシコ

　
　教育総合ランキングの1位はフィンランドで、オーストラリアとエストニアが続き、日本は7位と前年6位から順位を1つ落としています。3位のエストニアは前回18位でしたので、大きくランクアップしたことになります。

　ところで、調査時点（2019年5月）でのOECD加盟国は36ヶ国ですが、OECD非加盟国のロシアとブラジル、南アフリカ、コロンビアの4ヶ国が含まれているので、合計40ヶ国（＝36ヶ国＋4ヶ国）の統計データとなります。なお、前年は38ヶ国だったので2ヶ国増えました。今回から統計データに加わった国は、2018年7月にOECDに加盟したリトアニアと、2018年6月にOECD加盟承認を受けて現在国内批准手続き中のコロンビアです。

Better Life Index
stats.oecd.org/Index.aspx?DataSetCode=BLI

　今から紹介する「学歴」「学習到達度」「教育期間」のランキングについては、2019年5月時点の上記データベース（Better Life Index）から作成しています。上述の所得総合ランキングは、この3つのランキングを総合的に評価したものだと思われます。
www.oecd.org/statistics/OECD-Better-Life-Index-...
　

学歴ランキング

　2019年5月時点の学歴（Educational attainment）のランキングは以下の通りです。学歴とは、25～64歳で高等教育を受けている割合となります。

順位	国名	学歴
1	チェコ	94％
2	ロシア	94％
3	リトアニア	93％
4	ポーランド	92％
5	カナダ	91％
6	スロバキア	91％
7	アメリカ	91％
8	エストニア	89％
9	フィンランド	88％
10	韓国	88％
11	スイス	88％
12	ラトビア	88％
13	スロベニア	88％
14	ドイツ	87％
15	イスラエル	87％
16	オーストラリア	85％
17	ハンガリー	84％
18	スウェーデン	83％
19	アイルランド	82％
20	ノルウェー	82％
21	オーストラリア	81％
22	デンマーク	81％
23	イギリス	81％
24	ニュージーランド	79％
25	フランス	78％
26	オランダ	78％
27	ベルギー	77％
28	アイスランド	77％
29	ルクセンブルク	77％
30	ギリシャ	73％
31	南アフリカ	73％
32	チリ	65％
33	イタリア	61％
34	スペイン	59％
35	コロンビア	54％
36	ブラジル	49％
37	ポルトガル	48％
38	トルコ	39％
39	メキシコ	38％

　学歴ランキングの1位はチェコ（94％）で、僅差でロシアとリトアニアが続きます。上位に東欧諸国がランクインしているのが目立ちます。なお、OECD全体の平均は78％となっています。
　日本は前年94％で2位でしたが、今回の統計データになぜか掲載されていなかったためランク外となりました。高等教育を受けている割合が1年で急変するとは考えにくいので、日本は実質的にトップ3前後に位置すると思われます。
　

学習到達度ランキング

　2019年5月時点の学習到達度（Student skills）のランキングは以下の通りです。学習到達度とは、15歳時点の「読解力」「数学力」「科学力」で、OECD生徒の学習到達度調査（PISA）の結果です。

順位	国名	学習到達度
1	日本	529点
2	エストニア	524点
3	カナダ	523点
4	フィンランド	523点
5	韓国	519点
6	スロベニア	509点
7	アイルランド	509点
8	ドイツ	508点
9	オランダ	508点
10	スイス	506点
11	ニュージーランド	506点
12	ポーランド	504点
13	ノルウェー	504点
14	デンマーク	504点
15	ベルギー	503点
16	オーストラリア	502点
17	イギリス	500点
18	ポルトガル	497点
19	スウェーデン	496点
20	フランス	496点
21	ロシア	492点
22	オーストリア	492点
23	チェコ	491点
24	スペイン	491点
25	アメリカ	488点
26	ラトビア	487点
27	イタリア	485点
28	ルクセンブルク	483点
29	アイスランド	481点
30	リトアニア	475点
31	ハンガリー	474点
32	イスラエル	472点
33	スロバキア	463点
34	ギリシャ	458点
35	チリ	443点
36	トルコ	425点
37	メキシコ	416点
38	コロンビア	410点
39	ブラジル	395点

　学習到達度ランキングの1位は日本で、エストニアとカナダが続きます。どうやら順位は前年と同じようで、リトアニア（30位）とコロンビア（38位）が新たに加わっています。なお、OECD全体の平均は486点となっています。
　

教育期間ランキング

　2019年5月時点の教育期間（Years in education）のランキングは以下の通りです。教育期間とは、5歳から39歳までで教育を受けた期間の平均年数となります。

順位	国名	教育期間
1	オーストラリア	21年
2	フィンランド	19.8年
3	デンマーク	19.5年
4	ベルギー	19.3年
5	スウェーデン	19.3年
6	ギリシャ	19年
7	アイスランド	19年
8	オランダ	18.7年
9	リトアニア	18.4年
10	ノルウェー	18.3年
11	トルコ	18.3年
12	スロベニア	18.3年
13	ドイツ	18.1年
14	アイルランド	18.1年
15	ラトビア	18年
16	チェコ	17.9年
17	スペイン	17.9年
18	ニュージーランド	17.7年
19	エストニア	17.7年
20	ポーランド	17.6年
21	スイス	17.5年
22	イギリス	17.5年
23	チリ	17.5年
24	カナダ	17.3年
25	韓国	17.3年
26	アメリカ	17.2年
27	オーストリア	17年
28	ポルトガル	16.9年
29	イタリア	16.6年
30	フランス	16.5年
31	ハンガリー	16.4年
32	日本	16.4年
33	ブラジル	16.2年
34	ロシア	16.2年
35	スロバキア	15.8年
36	イスラエル	15.6年
37	メキシコ	15.2年
38	ルクセンブルク	15.1年
39	コロンビア	14.1年
1	オーストラリア	21.2年
2	フィンランド	19.8年
3	デンマーク	19.7年
4	アイスランド	19.3年
5	スウェーデン	19.2年
6	オランダ	18.7年
7	アイルランド	18.7年
8	ドイツ	18.3年
9	ベルギー	18.2年
10	スロベニア	18.1年
11	ノルウェー	18.1年
12	トルコ	17.9年
13	ラトビア	17.9年
14	スペイン	17.9年
15	ニュージーランド	17.8年
16	ポーランド	17.7年
17	スイス	17.5年
18	韓国	17.4年
19	チリ	17.3年
20	チェコ	17.3年
21	アメリカ	17.1年
22	オーストリア	17.1年
23	ポルトガル	17.1年
24	ギリシャ	16.9年
25	イギリス	16.8年
26	カナダ	16.7年
27	ハンガリー	16.6年
28	フランス	16.5年
29	イタリア	16.4年
30	日本	16.4年
31	ロシア	16.1年
32	ブラジル	15.9年
33	スロバキア	15.9年
34	イスラエル	15.8年
35	エストニア	15.8年
36	南アフリカ	15.3年
37	ルクセンブルク	15.1年
38	メキシコ	14.8年

　教育期間ランキングの1位はオーストラリアで、唯一20年を超えています。フィンランドとデンマークが続きます。なお、OECD全体の平均は17.2年となっています。
　日本は32位と前年（30位）より下がりました。他国に比べると大学や大学院への進学率が低いということなので、大学進学率はまだまだ伸びる余地がありそうです。

　こうしてOECD加盟国等をランキング比較すると、教育の格差が存在することを実感します。世界全体を見渡すと、おそらく教育の格差は更に拡大することでしょう。なお、教育格差は経済格差に多大な影響を及ぼす可能性があるので非常に重要です。

※世界住宅水準ランキング2022年6月現在（日本は41ヶ国中26位）へ続く。

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