増田豊「結局、年金は何歳でもらうのが一番トクなのか」を読んで老齢年金に関する理解を深める

2022年4月より、老齢年金の繰下げ受給の上限年齢が75歳へ引き上げられるなど、年金制度が大きく変わりました。老齢年金の繰下げ受給の上限年齢を2022年4月..

【情報公開日】2022/08/24　【関連タグ】老後/介護書評保険年金

　
　2022年4月より、老齢年金の繰下げ受給の上限年齢が75歳へ引き上げられるなど、年金制度が大きく変わりました。

老齢年金の繰下げ受給の上限年齢を2022年4月より75歳へ引上げ（従来までは70歳）: 最速資産運用 ma-bank.net 2022/05/27更新
年金制度改正法等の施行により、老齢年金の繰下げ受給の上限年齢が2022年4月より70歳から75歳へ引上げられるなど、年金制度が大きく変わりました。 www.nenki..

　75歳から繰下げ受給する場合、標準時（※65歳受給開始）と比べると、老齢年金が84％（＝0.7％×120ヶ月）増加します。ただし、75歳までに死亡した場合、本人は老齢年金を一切もらえないばかりか、かなり長生きしない限りトータルの受給額も見劣りします。繰下げ受給を選択すると、年金額が増加する反面、受取年数が減少するので、実際の死亡年齢によって老齢年金の総受給額が大きく変動することになります。

　では、いつから老齢年金を受給するとより多くもらえるのでしょうか。この点については「結局、年金は何歳でもらうのが一番トクなのか」（増田豊）を読むことで理解が深まります。

結局、年金は何歳でもらうのが一番トクなのか: 価　格:税込1,089円
著　者:増田豊
出版者:青春出版社
出版日:2022年07月04日頃
備　考:複雑な年金の仕組みも、「プラス１２年の法則」「夫婦の年齢差の法則」…であなたに合った受け取り方がスッキリわかる！！

　平均寿命（平均余命）や健康寿命だけでなく、夫婦の年齢差や健康状態、老後の生活設計など、最も有利となるであろう受給開始年齢は千差万別です。ですが、この本を読むと、ある程度の指標が見えてくると思われます。

　著者は、原則的に繰下げ受給を推奨していますが、65歳からの受給や繰上げ受給についても推奨するケースもあります。60歳以降の生活費を確保することが困難な場合や65歳以降も働く場合など、繰下げ受給より有利になる可能性が高いからです。

　その反面、75歳からの繰下げ受給については、あまり推奨していません。受給年数が相対的に短くなることから、長生きに自信がある人向けという位置付けです。

　社会保険労務士である著者が、具体的事例をもとに分かりやすく解説しています。今まで老齢年金については深く考えていませんでしたが、物凄くためになりました。その一方、「老齢年金の総受給額を死亡年齢別に極大化するシミュレーションツールが欲しい」という思いが募りました。そのようなツールがあれば、直観的かつ具体的に最適な受給開始年齢を把握することが可能です。

　という訳で、老齢年金の繰下げ繰上げ受給最大化シミュレーションを作成しました。利用していただければ幸いです。