山崎元「学校では教えてくれないお金の授業」でリスクについて理解を深める

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 「学校では教えてくれないお金の授業」を読みました。
 お金に関する素朴な疑問について、懇切丁寧に解説されています。著者である山崎元氏が、獨協大学の特任教授として、経済学部の大学生に実際に教えている内容がベースになっていますが、経済に詳しくない方でも理解しやすい内容だと思われます。

 以下、印象に残ったことを書き残します。

「人間の価値までお金に換算できるのではないかと考えてしまいかねません」(P.40)
「お金は「手段」であり、「目的」ではない」(P.42)

 お金は「数字」という客観的なデータで、他のものと比べられることが可能です。それゆえ、お金が「目的」になってしまうと、お金の多寡が判断基準となり、他人を評価する際、人間性が二の次になってしまう危険性があります。
 例えば、結婚相手に望むものとして「お金」があります。お金はないよりも、あった方がいいですが、必ずしも最重要ポイントではありません。
 
「たくさん使いたい人は、たくさん稼ぐ」(P.144)

 所有欲や物欲が旺盛な人は、お金を稼がなければ自分の欲求を満たすことはできません。それゆえ、たくさんお金を稼ぐ必要があります。
 逆に、所有欲等が薄い人は、お金をたくさん稼ぐ理由が乏しいです。それゆえ、結果的に稼ぎが頭打ちとなることが多いように思われます。
 どちらがいいのかはその人によりますが、自分は後者のタイプのようです。
 
初心者でも上級者でも大事なことは同じです。投資をする前に、まずは幾らまでなら損をしてもいいかの見当をつけて、その範囲内で投資してください」(P.152)

 「第2章 リスクから投資を考える」では、リスクを中心に取り上げられています。投資の基本として、リスクを想定し、その範囲内で投資することが勧められています。
 この「リスク」を把握していない人が(自分を含めて)多いように思えるような内容でした。
 
「運用における「リターン」とは、「投資収益(率)」のことであり、たいていの場合、将来期待される収益(主に年率)の平均値で表します。(P.156)
「運用の世界で一般に「期待」というときは(中略)「確率を加味して予想される平均値」という意味」(P.157)
「リターンの変動幅が、運用の世界でいう「リスク」の具体的なイメージ」(P.157)
「この場合の「リスク」では(中略)プラス方向にぶれる可能性も含まれます」(P.157)

 この文章を読んで、リスクについて誤解していたことに気付きました。リスクとは損失(マイナス)のイメージが強かったのですが、それだけでは半分正解、半分不正解。正確には、投資の世界では、プラスのリスクも存在するのです。「目からウロコ」でした。
 
 161ページから、リスクの具体的な算出方法が記されています。その中で、リスクとは正規分布における「標準偏差」であると定義付けられています。統計や確率の用語なので、正直なところ馴染みがないのですが、「偏差値」という言葉に言い換えると理解が進みました。
「金融の世界では、「平均マイナス二標準偏差」を「最悪」の目途として想定」(P.163)

 「平均マイナス二標準偏差」とは「偏差値30」に相当するようです。つまり、投資する際には、偏差値30に相当するケースを最悪と想定し、その地点を(マイナスの)リスクと仮定する、ということです。
 例えば、とある投資信託を購入した場合、数百数千数万通りの未来が想定されます。その中で、「リスク」としてパーセント(%)表示されるのが、偏差値30以下のレアなケースです。この投資信託が「期待リターン5%。リスク15%」であれば、「1年後に5%の増加が期待できるが、その反面15%の幅で増減する可能性が高い。最悪の場合は15%の損失(最高の場合は15%の利益)が想定される」ということを意味します。この中の「(最高の場合は15%の利益)」が、この本を読むまで欠けていた視点です。
 
 また、仕組み預金などの「仕組み商品」については、普通の投資家は近づかない方がいいと筆者は言います。その例外は以下のときです。
「「仕組み商品」が投資に値するのは、仕組みを作る側が、自分たちに不利なように計算を間違えた場合であり、これを発見できた場合にのみ限られます」(P.181)

 そのようなケースが仮に生じたとしても、発見するのは非常に難しいと思われます。少なくとも、金融工学をベースに個別計算をして実際に確認する必要があります。一般的には実行不可能です。
 本サイトでは「定期預金(3ヶ月~1年)金利比較ランキング」において定期預金を扱っていますが、仕組み預金については対象外としています。「仕組みを作る側が計算を間違えるケース」を発見できるとは思えないので、今後も仕組み預金を対象とすることはないでしょう。
 
 「株を売る場合の原則」として、ポイントが4つ挙げられています(P.216)。参考になりました。
  1. 現金が必要になった時
  2. その銘柄を買った理由がなくなった時
  3. その銘柄のリスクが過大になった時(通常は部分売却します)
  4. 素晴らしく期待リターンの高い他の銘柄が見つかった時
 
 301ページの「山崎式経済時計」は秀逸です。現在アベノミクスで景気が過熱していると言われていますが、どこら辺りに位置するのか、実際に当てはめてみると面白いです。
学校では教えてくれないお金の授業
 
 個別具体的な方法論については記載されていませんが、少なくとも自分にとっては、世の中に溢れかえっているお金儲けのハウツー本よりも参考になりました。お金儲けのカリスマと呼ばれる人の成功話よりも、資産運用の実際に役立つことが詰まっていました。
 資産運用初心者はもちろん、ある程度分かった気になっている(自分のような)人間にとっても有益な本だと思われます。
 

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