米ドル定期10％はお得?(ジャパンネット銀行)－３（年利3%を実現編）

　
　米ドル定期10％はお得?(ジャパンネット銀行)－１の満期が到来したので、備忘的に記録を残しておきます。

　満期時に必要な取引は以下の2つです。

1. ジャパンネット銀行：米ドル外貨預金を円普通預金に移動する。
2. FX業者（DMM FX）：米ドル/円を買い戻す。

　
　ジャパンネット銀行においては、外貨預金の預入時に「満期自動解約」を選択したので、米ドルは外貨普通預金に入金されています。その全額を円普通預金に移動しました。
　同時に、DMM FXにおいて2ヶ月前に売った米ドルを決済（買い戻）しました。
　

損益計算１（外貨預金とFX売り）

　単純利回りは0.89％、年利換算で5.34％（＝0.89％×6ヶ月）となりました。

　損益の内訳は以下の通りです。外貨預金の受取利息については、源泉税引後の利回りとなります。

項目	単純利回り	年利換算
外貨預金:受取利息	＋1.10％	＋6.60％
外貨預金:為替差損	▲3.57％	▲21.42％
FX売り:為替差益	＋3.36％	＋20.16％
計（①）	＋0.89％	＋5.34％

　ただし、これで終わりという訳ではありません。所得税においては、外貨預金の為替差損とFXの為替差益を損益通算できないため、税負担が生じることになるためです。
　

損益計算２（税負担）

　具体的な税負担は以下の通りとなります。

　「3.FX売り 為替差益」は分離課税で約20％の税金が必要となります。税金はコストですので、単純利回りで0.67％、年利換算で4.02％（＝0.67％×6ヶ月）のマイナスが発生します。
　今回の単純利回りは0.89％だったので、差引利回りは0.22％（＝0.89％－0.67％）、年利換算で1.32％（＝0.22％×6ヶ月）となり、利益の大半が吹っ飛んでしまう計算です。

　その反面、「2.外貨預金 為替差損」については、他の雑所得と損益通算が可能なので税負担が軽減する可能性があります。自分の場合、毎年ある程度の雑所得が発生するので、概算で単純利回り0.29％、年利換算で1.74％（＝0.29％×6ヶ月）の節税効果が期待できます。

　まとめると以下の通りです。

項目	単純利回り	年利換算
①今回の利益	＋0.89％	＋5.34％
税金：FX売り(分離課税)	▲0.67％	▲4.02％
節税：外貨預金(雑所得)	＋0.29％	＋1.74％
計	＋0.51％	＋3.06％

　2ヶ月前に外貨預金を預け入れた際の平均為替レートは1ドル109.32円でしたが、決済時は1ドル104.85円と5円近くも円高になりました。その影響で、FX売り(分離課税)で大きな利益が生じ、税負担も膨れ上がりました。
　自分の場合、他に雑所得があるので、外貨預金(雑所得)のマイナスを使って節税できますが、そうでない人は相当シビアな結果になったことでしょう。

　以上の通り、「高金利の外貨預金＋FX売りで為替ヘッジ」という投資スキームは、税金が最大のネックになります。雑所得やFX分離課税で別途利益が見込めない人は避けた方が無難だと思われます。
　以前のように店頭FXが雑所得であれば、外貨預金と損益通算できるので問題なかったのですが…　
　当初は3月末から5月末まで更に2ヶ月外貨預金を預入れる予定でしたが、為替相場の動向があまりにも不安定なので断念しました。さすがにこれ以上円高に進まないと思いますが、2ヶ月後の為替相場では何が起こっているか分からないからです。
　利益が出ているうちに撤退するのも悪くないと考えています。

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　サイト利用者の方より、以下のようなご指摘をいただきました。
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