年金支給開始が68歳に引上げられる日

　
　年金支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられましたが、そう遠くない将来、65歳から68歳に更に引き上げられるかもしれません。

　このことは2018年4月11日に開催された財務省の財政制度分科会の「社会保障について(資料)」のP.92「支給開始年齢の引上げによる需給水準の充実（イメージ）」において具体的に言及されています。
www.mof.go.jp/about_mof/councils...

　『「人生１００年時代」の年金受給の在り方と支給開始年齢の引上げ』と題された資料において、支給開始年齢を65歳から68歳に引き上げた場合、年金受給水準の上昇を謳っています。ただ、高齢就労促進とセットですし、気が滅入る人は結構存在しそうですね…

　また、同資料P.91「平成１６年改正後の年金制度における支給開始年齢引上げの効果」においては、支給開始年齢を65歳から68歳に更に引き上げた場合、将来世代の給付水準の更なる上昇を謳っています。

　「社会保障について(参考資料)」のP.14「諸外国の支給開始年齢」によると、アメリカやイギリスなどでは年金支給開始年齢の67～68歳への引上げが実施されているようです。
　

国	開始年齢	変更時期	備考
日本	65歳	2013年	男性:報酬比例部分
		2018年	女性:報酬比例部分
アメリカ	67歳	2003年
イギリス	68歳	2018年
ドイツ	67歳	2012年
フランス	67歳	2016年	満額受給の場合
イタリア	66歳	2012年	2021年より67歳

　日本の場合、高齢化の進行が他国より早いですが、支給開始年齢は65歳です。他国の支給開始年齢や国の財政状況、人口動態などから判断するに、更なる引き上げを避けることは難しそうです。

　開始年齢の引き上げ時期は分かりませんが、上記の通り財政制度分科会の資料として公開されている以上、68歳前後への引上げについて具体的に検討されていると思われます。平均寿命が伸びれば、開始年齢は更に引き上げられて70歳になるかもしれません。

　老齢年金については、「必ずもらえるもの」ではなく、何かあったときの「保険」として考えた方が無難かもしれません。そのためには莫大な老後資金を用意したり、「生涯現役」として働き続ける覚悟などが必要になるでしょうね。

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