遺族年金とは
遺族基礎年金・遺族厚生年金の受給額や受給要件、死亡一時金、寡婦年金、遺族補償年金などについて。最終更新: [本ページはプロモーションが含まれています]
遺族年金の概要
公的な社会保険の一つで、被保険者等が死亡した場合、生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。年金を受給するには、必ず請求しなければなりません。年金受給の時効は5年です。遺族年金は以下の2種類です。
- 遺族基礎年金
- 遺族厚生年金
遺族基礎年金は国民年金加入者のための遺族年金で、生計を維持されていた18歳までの子供がいる配偶者または子供に支給されます。
遺族厚生年金は厚生年金加入者のための遺族年金で、生計を維持されていた遺族に支給されます。
遺族年金|日本年金機構
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遺族基礎年金の概要
遺族基礎年金の年金額は以下の通りです(2025年4月現在)。- 831,700円
- 829,300円 [※1956年4月1日以前生まれ]
遺族基礎年金の支給要件は以下の通りです。
- 国民年金の被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たした者が死亡したとき。
- 死亡日において次のいずれかの納付要件を満たすこと。
- 公的年金の加入期間の3分の2以上、保険料が納付または免除されていること。
- 死亡日が2026年4月1日以前、かつ、公的年金の保険料未納が1年間ないこと。
- 生計を維持されていた遺族が次のいずれかであること。ただし、①18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子供か、②20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子供のいずれかに限る。
- 子のある配偶者
- 子
遺族基礎年金の根拠法令は国民年金法です。
laws.e-gov.go.jp/law/334AC000000...
遺族基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法|日本年金機構
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遺族厚生年金の概要
遺族厚生年金の年金額は、原則的に以下の合計の4分の3となります(2025年4月現在)。- 平均標準報酬月額×0.7125%×加入月数(~2003年3月)
- 平均標準報酬額×0.5481%×加入月数(2003年4月~)
子供がいない30歳未満の妻は5年間しか支給されません。
加入月数が300ヶ月未満の場合、300ヶ月とみなして計算します(厚生年金の被保険者期間が25年未満のケース)。
なお、実際の年金額は「遺族基礎年金+遺族厚生年金」となります。
遺族厚生年金の支給要件は以下の通りです。
- 厚生年金の被保険者または老齢厚生年金の資格期間を満たした者、または1級・2級の障害厚生年金を受けられる者が死亡したとき。
- 死亡日において次のいずれかの納付要件を満たすこと。
- 公的年金の加入期間の3分の2以上、保険料が納付または免除されていること。
- 死亡日が2026年4月1日以前、かつ、公的年金の保険料未納が1年間ないこと。
- 生計を維持されていた遺族が次のいずれかであること。
- 妻
- 子、孫(ただし、①18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない者か、②20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の者のいずれかに限る)
- 夫、父母、祖父母(ただし、死亡時において55歳以上の者に限る)
遺族厚生年金は優先順位の高い者に支払われます。
- 子のある妻・子のある55歳以上の夫・子
- 子のない妻・子のない55歳以上の夫
- 55歳以上の父母
- 孫
- 55歳以上の祖父母
遺族厚生年金の根拠法令は厚生年金保険法です。
laws.e-gov.go.jp/law/329AC000000...
遺族厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法|日本年金機構
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死亡一時金の概要
遺族基礎年金の受給要件を満たしている遺族がいない場合に受け取ることができる一時金です。死亡一時金の支給額は、公的年金の保険料を納めた月数によって決まります(2025年4月現在)。
保険料を納めた月数 | 支給額 |
---|---|
36ヶ月~179ヶ月 | 120,000円 |
180ヶ月~239ヶ月 | 145,000円 |
240ヶ月~299ヶ月 | 170,000円 |
300ヶ月~359ヶ月 | 220,000円 |
360ヶ月~419ヶ月 | 270,000円 |
420ヶ月~ | 320,000円 |
死亡一時金と以下のものを同時に受け取ることができません。
- 寡婦年金
死亡一時金の支給要件は以下の通りです。
- 死亡者が老齢基礎年金又は障害基礎年金のいずれも受け取ったことがない。
- 死亡日の前日において、死亡日の前月までの納付済月数が36か月以上の場合。
- 生計を同一にしていた遺族が次のいずれかであること。なお、所得制限等はない。
- 配偶者または子
- 父母、孫
- 祖父母、兄弟姉妹
死亡一時金は優先順位の高い者に支払われます。
- 配偶者
- 子
- 父母
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
死亡一時金|日本年金機構
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【寡婦年金・死亡一時金】お手続きガイド―(26)|市町村向け 業務支援ツールのダウンロードページ|厚生労働省
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寡婦年金の概要
夫が年金を受け取ることなく死亡した場合、妻が受け取ることができる年金です。寡婦年金は以下の通りです(2025年4月現在)。
- 夫が受けられたであろう老齢基礎年金額の4分の3
寡婦年金は次のいずれかの期間受け取ることができます。
- 死亡日に妻が60歳未満の場合:60歳から65歳まで
- 死亡日に妻が60歳超の場合:死亡日の翌月から65歳まで
寡婦年金と以下のものを同時に受け取ることができません。
- 老齢厚生年金など他の年金
- 死亡一時金
寡婦年金の支給要件は以下の通りです。
- 以下の全てを満たす妻。
- 夫が死亡したとき夫により生計を維持していたこと。
- 夫が死亡したとき65歳未満で、夫と10年以上婚姻関係にあったこと。
- 老齢基礎年金の繰上げ受給していないこと。
- 死亡者が老齢基礎年金を受け取ったことがない。
- 死亡者が障害基礎年金を受け取るための要件を満たしていたことがない。
- 夫の死亡日の前月において、10年以上保険料が納付または免除されていること。
寡婦年金|日本年金機構
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【寡婦年金・死亡一時金】お手続きガイド―(26)|市町村向け 業務支援ツールのダウンロードページ|厚生労働省
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遺族補償年金(遺族年金)の概要
公的な社会保険の一つで、業務上、または、通勤災害による死亡した場合、遺族補償年金又は遺族年金を受けることができます。遺族補償年金又は遺族年金の年金額は以下の通りです(2025年4月現在)。
- 遺族1人 給付基礎日額:153日分(ただし、遺族が55歳以上などの妻は175日分)
- 遺族2人 給付基礎日額:201日分
- 遺族3人 給付基礎日額:223日分
- 遺族4人 給付基礎日額:245日分(遺族が4人以上の場合は同一金額)
給付基礎日額とは、直近3ヶ月間の一日当たりの賃金額で、賞与などの臨時的な賃金は計算から除外されます。
遺族補償年金又は遺族年金の受給要件を満たしている遺族がいない場合、遺族補償一時金又は遺族一時金を受けることができます。
この他に遺族特別支給金や遺族特別年金又は遺族特別一時金が支給されるケースがあります。
遺族補償年金又は遺族年金の支給要件は以下の通りです。
- 労働災害時に労災保険に加入していること。
- 業務災害または通勤災害の認定を受けていること。
- 生計を維持していた遺族が次のいずれかであること。
- 配偶者または子
- 父母、孫
- 祖父母、兄弟姉妹
遺族補償年金又は遺族年金は優先順位の高い者に支払われます。
- 妻・60歳以上又は一定障害の夫
- 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子又は一定障害の子
- 60歳以上又は一定障害の父母
- 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある孫又は一定障害の孫
- 60歳以上又は一定障害の祖父母
- 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある60歳以上又は一定障害の兄弟姉妹
- 55歳以上60歳末満の夫
- 55歳以上60歳末満の父母
- 55歳以上60歳末満の祖父母
- 55歳以上60歳末満の兄弟柿妹
遺族補償年金又は遺族年金の根拠法令は労働者災害補償保険法です。
laws.e-gov.go.jp/law/322AC000000...
遺族(補償)給付 葬祭料(葬祭給付)の請求手続|厚生労働省
www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsui...
遺族年金の税金
遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金・死亡一時金・寡婦年金・遺族補償年金)は非課税なので相続税や所得税がかかりません。ただし、健康保険の扶養認定等では収入に含まれる場合があるので注意が必要です。No.1605 遺族の方に支給される公的年金等
www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/ta...
遺族年金の男女差別
遺族年金には以下のような男女差別が存在します。- 遺族厚生年金の男女差別1(55歳制限)
- 遺族厚生年金の男女差別2(中高齢の加算)
- 遺族補償年金の男女差別(労働災害)
- 寡婦年金の男女差別
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2018/06/25更新
遺族年金の給付例
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