国民年金基金とは

老齢年金に上乗せする国民年金基金について。加入要件や掛金、優遇税制、優遇された掛金の前納制度、デメリット等。
【カテゴリ】保険年金
【情報登録】
[スポンサード リンク]

国民年金基金とは

 老齢年金に上乗せする国民年金1号被保険者のための年金制度です。国民年金法に基づき、国民年金基金連合会が実施している公的な制度です。

国民年金基金連合会
www.npfa.or.jp/

 主な特徴は以下の通りです。
  1. 65歳以降に上乗せ分の老齢年金を受取。
  2. 国民年金1号被保険者等が対象。
  3. 掛金は月6.8万円まで(年齢や加入口数等によって掛金が異なる)。
  4. 優遇税制①。納付時:掛金は全額所得控除。
  5. 優遇税制②。受取時:年金は公的年金等の雑所得。
  6. 優遇された掛金前納制度。1年分を前納時。

老齢年金の上乗せ

 国民年金基金に加入すると老齢年金が上乗せされます。
 上乗せ分の最低額は以下の通りで、加入口数を増やすことで上乗せ分を増額することも可能です。
  • 20~34歳 … 月2万円
  • 35~44歳 … 月1.5万円
  • 45~59歳 … 月1万円
 現在の予定利率(=予想される運用利回り)は1.5%です。今後変更される可能性があります。

国民年金基金の加入要件

 加入要件は以下の通りです。
  1. 国民年金1号被保険者(20歳以上60歳未満の自営業者や自由業等)
  2. 60歳以上65歳未満の国民年金の任意加入被保険者

 ただし、以下に該当する場合は加入できません。
  1. 国民年金の保険料の免除期間中
  2. 農業者年金の被保険者
  3. 国民年金の付加保険料の納付期間中

 加入手続きは、各都道府県の国民年金基金等で行います。

国民年金基金の掛金は月6.8万円まで

 国民年金基金には以下のタイプがあります。
タイプ種類年金受給備考
期間開始
A型終身年金終身65歳~保証期間15年
B型保証期間なし
Ⅰ型確定年金15年
Ⅱ型10年
Ⅲ型15年60歳~
Ⅳ型10年
Ⅴ型5年

 1口目はA型かB型に加入する必要があります。2口目以降は全てのタイプから選ぶことができます。ただし、確定年金の年金額が終身年金の年金額を超えるような組合せは原則的にできません。

 掛金の上限は月6.8万円までですが、加入時年齢や性別によって掛金だけでなく受給額も変わります。
 月単位で掛金を増減させることも可能です。ただし、1口目については変更することができません。原則的として掛金を毎月納付しますが、1年分を前納することも可能です。納付は預金口座振替となります。

 個人型確定拠出年金と併用することが可能です。ただし、国民年金基金と個人型確定拠出年金の掛金合計は、月6.8万円が限度額となります。

優遇された税制と掛金前納制度

 所得税において優遇されているため、相当な節税効果が見込まれます。
  1. 納付時:掛金は全額所得控除。
  2. 受取時:年金は公的年金等の雑所得。
 納付時には掛金が全額所得控除されるため、また、受取時には公的年金等の雑所得になるので、所得税の納税額が減ります。

 また、1年分の掛金を前納すると0.1か月分の掛金が割引されます。

国民年金基金のデメリット

 税制や掛金前納制度といったメリットがある反面デメリットもあります。
 

60歳まで中途解約できないし、掛金を0円にすることができない

 国民年金基金に加入すると、60歳まで中途解約することができません。厚生年金に加入するなど、国民年金基金の加入資格を失った場合は、掛金の納付状況に応じた年金を将来的に受給することになります。

 また、2口目以降の掛金を減額することは可能ですが、1口目については一切変更することができません。1口目を最も掛金の安い終身年金B型(保証期間なし)にした場合の年齢別・性別の月額掛金は以下の通りです。
年齢月額掛金
男性女性
20歳6,180円7,830円
30歳9,380円11,840円
40歳11,715円14,730円
50歳16,110円20,930円

掛金月額表 | 掛金・年金額を調べる | 国民年金基金連合会
www.npfa.or.jp/check/table.html

 国民年金基金の掛金が未納の場合、延滞金がかかるので注意が必要です。

重要なお知らせ | 手続きの流れを見る | 国民年金基金連合会
www.npfa.or.jp/procedure/important.html
掛金の払込について
(中略)
 掛金を引き落としできなかった場合には、その翌月に2ヶ月分をまとめて引き落としさせていただきます。
 2ヶ月連続で引き落としできなかった場合には、掛金の払込票を郵送させていただきますが、この場合には所定の延滞金が付加されますので、ご注意ください。

 なお、国民年金の第1号被保険者でなくなると、国民年金基金の加入資格を失います。この場合、当然ながら掛金を支払う必要がなくなります。
 

国民年金基金の破綻リスク

 2008年度(平成20年度)に1兆3,430億円あった実質過不足(=運用資産-責任準備金)は、一時的に5,180億円まで減りましたが、2015年度(平成27年度)においても未だ9,002億円あります。
 また、運用資産のうち国内債券の占める割合は21%程度しかないので、運用は株価や為替の動向に左右されやすい状況にあります。

 他方、新規加入数も現存加入数も減少傾向にあります。
 2008年度(平成20年度)には新規加入数26,701人・現存加入数614,784人だったのが、2015年度(平成27年度)には新規加入数21,407人・現存加入数427,026人まで落ち込んでいます。

年金財政の推移(事業の概況・状況)| 国民年金基金
npfa.or.jp/state/pdf/chart04.pdf
事業の概況・状況(現存加入者の状況・新規加入者の状況)| 国民年金基金
www.smrj.go.jp/skyosai/051295.html

 運用状況や加入状況を見る限り、国民年金基金が置かれている状況はかなり厳しいように感じます。正直なところ、加入資格があるとしても、自分だったら加入する気にはなりません。

 仮に破綻(=基金が解散)した場合は国民年金法に基づき処理されるため、元本割れする可能性もあります。

重要なお知らせ | 手続きの流れを見る | 国民年金基金連合会
www.npfa.or.jp/procedure/important.html
基金が解散した場合の取り扱いについて
(中略)
仮に当基金が解散した場合は国民年金法に基づき、基金の解散時点での残余財産額を加入員および受給者等で分配することとなっており、それまで支払われた掛金額を下回ることがあります。

国民年金法
law.e-gov.go.jp/htmldata/S34/S34HO141.html#1000...
(清算人等)
第百三十七条
(中略)
4 解散した基金の残余財産は、規約の定めるところにより、その解散した日において当該基金が年金の支給に関する義務を負つていた者に分配しなければならない。

 国民年金基金が解散する可能性は低いとは思いますが、法令や公式ページに明記されているので注意が必要です。
小規模企業共済と国民年金基金の運用状況比較
 先日、小規模企業共済について調べました(小規模企業共済とは、小規模企業共済を無駄なく効率よく利用する参照)。その際、小規模企業共済の破綻リスクについても検討したのですが、思ったよりも資産運用状況が良好でした。  ..

個人型確定拠出年金について

 国民年金基金連合会が実施する年金制度としては、個人型確定拠出年金があります。
 個人型確定拠出年金と国民年金基金を比較してみます。
項目個人型確定拠出年金国民年金基金
目的老齢年金の上乗せ
加入条件20歳以上60歳未満
(2017年4月~)
国民年金1号被保険者
運用主体加入者本人国民年金基金
予定利率なし1.5%
受取方法一時金/定期年金終身年金/定期年金
掛金上限合算して月68,000円
年金開始原則60歳65歳/60歳
途中解約不可
根拠法令確定拠出年金国民年金法
 
 個人型確定拠出年金は国民年金基金と同等の税制優遇措置がある反面、年金受給額は運用実績により変動するため元本割れする可能性があります。個人型確定拠出年金では運用先を本人が決めることを含め、どう評価するかがポイントとなります。
確定拠出年金(401K)で合法的に節税
確定拠出年金(日本版401K)の概要や、企業型401Kプランと個人型401Kプランの違い、節税のポイント、ノーリスク運用法、NISAとの併用などについて解説。

最速資産運用:人気ページランキング もっと見る

関連する資産運用情報

保険年金カテゴリ

社会保険制度
健康保険や国民年金などの公的年金や公的扶助について解説します。介護保険、雇用保険、労災保険、遺族年金、生活保護など。
個人年金保険の返戻率比較ランキング一覧
個人年金保険の返戻率や年利を比較し、支払額や受取額をシミュレーション。個人年金保険料税制適格特約や生命保険料控除等の解説。ブログパーツあり。
確定拠出年金(401K)で合法的に節税
確定拠出年金(日本版401K)の概要や、企業型401Kプランと個人型401Kプランの違い、節税のポイント、ノーリスク運用法、NISAとの併用などについて解説。

会社経営カテゴリ

小規模企業共済とは
小規模企業共済の賢い活用法を具体的に解説。優遇税制、優遇された掛金の前納制度、低利の貸付制度、デメリット等。
関連する無料ソフト
corporate_tax法人税額計算&個人事業比較ソフト おすすめ
法人税や事業税等を簡単計算。個人事業での税金や役員報酬で受け取った場合と比較するので、起業・法人成り・資産管理会社を利用した節税検討に最適。
mosimoもしも社会保障一括計算ソフト(死亡,障害,傷病,出産,失業) おすすめ
死亡,障害,傷病,出産,失業時に給付される社会保険や公的扶助の給付額や要件等を一括チェック。[試算対象]遺族年金・障害年金・傷病手当金・出産手当金・雇用保険・生活保護等。
education教育費診断ソフト
必要とされる教育資金などを、ライフプランをもとにオンラインでシミュレーションします。
tax税金社会保険計算ソフト
税金・社会保険の支払額(所得税額や都道府県民税の所得割額、厚生年金保険料など)をオンラインで同時にシミュレーションします。
hoken_nenri保険返戻金の年利計算ソフト
学資保険や個人年金保険などの年利を計算して、返戻率や単純利回りと比較。月払や年払、一括受取、毎年定額受取等に対応。詳細な計算式あり。
参考先リンク
生命保険を知る・学ぶ 公益財団法人生命保険文化センター www.jili.or.jp
生命保険に関する知っておきたい基礎知識や知って得するQ&A
金融情報サイト-iFinance 株式会社エフ・ブイ・ゲート www.ifinance.ne.jp
身近な金融ナビゲーションとして、家計管理、資産運用、保険、ローン、税金などのマネー情報をワンストップで提供
金融サービス利用者相談室 金融庁 www.fsa.go.jp
金融行政に関するご意見・ご要望や貸し渋り・貸し剥がし、口座の不正利用、金融の円滑化等の各種情報提供
個人型確定拠出年金ナビ 特定非営利活動法人確定拠出年金教育協会 www.dcnenkin.jp
個人型確定拠出年金(401k)について
医療保険 厚生労働省 www.mhlw.go.jp
国民皆保険制度について

このページを他の人に教える

ご意見ご要望をお聞かせ下さい

 過去のご意見ご要望については、ご意見ご要望&回答一覧で確認できます。

利用規約をお読み下さい

 本サイトのご利用にあたっては利用規約を必ずお読み下さい。
 本サイトは断りがない限り「消費税込」で料金表示をしています(2014/04/11)

広告を募集しています

 本サイトでは掲載していただける広告を募集しております。詳しくは広告掲載をご覧ください。
資産運用お勧めベスト3
1.ふるさと納税の控除限度額計算ソフト
2.確定拠出年金(401K)で合法的に節税
3.個人向け国債キャッシュバックランキング一覧
最新ベスト10を見る
[スポンサード リンク]
[スポンサード リンク]
人気ページ
1. 定期預金(1年)の金利比較ランキング  7
2. 銀行格付けランキング一覧  5
3. 保険会社ランキング(格付/売上/利益)  4
4. MVNO/格安SIM比較ランキング  294
5. 学資保険の返戻率比較ランキング一覧  8
人気ページを見る
投資利回り一括比較
万円
お勧めキャンペーン
 パートナーズFX (マネーパートナーズ)
残り27日! [金融株式]
*FX口座開設で1,000円を全員にプレゼント中
dカード GOLD
残り28日! [金融株式]
*年会費相当をキャッシュバック
 SBI FXトレード (SBI FXトレード)
残り118日! [金融株式]
*FX口座開設で500円を全員にプレゼント中
お勧めキャンペーンを見る
[スポンサード リンク]

人気無料ソフト
1. ふるさと納税の控除限度額計算ソフト  9
2. 加算税・延滞税の計算  1
3. 法人税額計算&個人事業比較ソフト  5
4. FXロスカット損益スワップ一括計算ソフト
5. 保険返戻金の年利計算ソフト
無料ソフト一覧を見る
[PR]保険料節約
メディカルキットR
新着情報 RSS
12/02 銀行格付けランキング一覧
12/02 証券会社格付けランキング一覧
12/02 金融機関ランキング(顧客満足度分析)
12/02 保険会社ランキング(格付/売上/利益)
12/01 定期預金(1年)の金利比較ランキング
新着情報を見る
資産運用ブログ
12/02 野村證券が格上げされたけれども…(金融機関の格付け動向:2016年12月)
12/01 月155億円を民間銀行は日銀から受取|定期預金の金利動向(2016年12月)
11/30 富裕層が2年間で101万世帯から122万世帯に
11/29 松井証券のロボアドバイザー「投信工房」が素晴らしい
11/28 大震災に備えるユニークな「手のひら定期」
資産運用ブログを見る
ライフプラン特集
節約・節税
老後・介護
お得・プチリッチ
結婚・子育て
マイホーム
アクセス数
今日:5,464
昨日:6,641
ページビュー
今日:15,578
昨日:22,451
最速資産運用法
1. ゴールを決める
2. 貯める
3. 殖やす
4. 守る
 

ページの先頭へ移動