退職金の税金

退職金の税金や支給実態(民間・公務員)、相場、支給方法、退職金専用の定期預金等についても情報提供中。
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退職金の税金

 退職金には所得税と住民税がかかりますが、税制優遇措置がある上に、源泉徴収(住民税は特別徴収)で課税関係が終了するので、非常に有利です。

 退職所得は以下のように計算します。
  • 退職所得=(退職金-退職所得控除額)÷2

 退職所得の具体的な計算については、「退職所得:節税計算機」をご利用ください。

退職金の支給実態

 全ての人が退職金をもらえる訳ではありません。下記のいずれかに当てはまる場合、退職金をもらうことができない可能性があります。
  1. 退職金制度が存在しない場合。
  2. 退職金制度が存在したとしても勤続年数が少ない場合。
  3. 懲戒解雇(懲戒免職)などで退職した場合。
 上記1.については、厚生労働省「平成25年 就労条件総合調査」によると、24.5%の会社に退職金制度がありません。調査対象は従業員数が30人以上の会社に限定されるので、30人未満の会社を含めると、その割合は更に増える可能性があります。

退職金制度の有無

従業員数退職金制度
ありなし
30~99人72.0%28.0%
100~299人82.0%18.0%
300~999人89.4%10.6%
1,000人以上93.6%6.4%
合計75.5%24.5%
「平成25年 退職給付(一時金・年金)制度の形態、産業・企業規模、退職者の有無別企業割合、退職事由別退職者割合」より作成
 ただし、退職金制度が存在しなくても、退職金が支給される場合もあります。経営者の考えや会社の業績に左右されるので不確定要素が強いですが…

 上記2.については、会社ごとに最低勤続年数が決められています。東京都労働相談情報センター「中小企業の賃金・退職金事情(平成26年度版)」によると、自己都合退職の場合は3年が、会社都合退職の場合は1年か3年が多くなっています。

退職一時金受給のための最低勤続年数

最低勤続年数退職理由
自己都合会社都合
1年未満1.0%8.2%
1年18.8%30.4%
2年16.6%11.4%
3年52.2%30.9%
4年1.8%1.3%
5年6.4%4.5%
無記入3.2%13.2%
「平成26年度 7 退職金制度 (5)退職一時金受給のための最低勤続年数」より作成
 上記3.の懲戒解雇については言わずもがなですが、懲戒に到った非違行為の程度によっては退職金(の一部)が支払われる可能性もあります。

 では、公務員の場合はどうなのでしょうか。
 上記1.については、国家公務員には国家公務員退職手当法があります。
 上記2.については、国家公務員の場合、6ヶ月以上勤務すると退職金が支給されます。(国家公務員退職手当法第3条、第7条第6項)
 上記3.については、以前は「懲戒免職=退職金不支給」でしたが、2008年の国家公務員退職手当法改正により取扱いが変わりました。現在は、「懲戒免職等処分を受けて退職をした者」に対して「退職手当管理機関は(中略)退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする処分を行うことができる」(国家公務員退職手当法第12条)とあるように、「懲戒免職=退職金不支給」とはなりません。
 なお、地方公務員については、地方自治法第204条第2項により条例で退職手当を支給することを定めています。よって、各地方自治体の退職手当に関して規定する条例は、国家公務員退職手当法に準じたものとなることが予想されます。
 以上のことから、公務員の場合、6ヶ月以上勤務すれば、原則的に退職金をもらえますし、仮に懲戒免職で退職したとしても退職金の不支給に直結する訳ではないということが分かります。

退職金の支給方法

 退職金の支給方法については以下のようなものがあります。
  1. 退職一時金。
  2. 退職年金(確定拠出年金や確定給付企業年金等)。
  3. 一時金と年金の併用型。
 厚生労働省「平成25年 就労条件総合調査」によると、65.8%の会社が1.の退職一時金を選択していますが、従業員数が増えるにつれ2.の退職年金や3.の併用型の割合が高くなります。

退職金制度の内訳

従業員数退職金制度
退職一時金退職年金併用
30~99人74.1%8.6%17.3%
100~299人56.0%14.0%30.0%
300~999人31.5%27.2%41.3%
1,000人以上23.0%28.9%48.1%
合計65.8%11.6%22.6%
「平成25年 退職給付(一時金・年金)制度の形態、産業・企業規模、退職者の有無別企業割合、退職事由別退職者割合」より作成

退職金の計算方法

 一般的に以下の算式で退職金を計算します。
  • 退職金=退職時の基本給×勤続年数×給付率
 また、役員退職金については、以下の計算式が一般的です。
  • 役員退職金=退職時の報酬月額×役員在任年数×功績倍率
 給付率や功績倍率については、会社により異なり、就業規則(退職金規程)に記載されています。

 なお、公務員については国家公務員の退職手当制度の概要が詳しいです。

退職金の支給状況

 国税庁「長期時系列データ 源泉所得税 7 退職所得及び非居住者等」によると、毎年200万人前後が退職金を受け取っていることが分かります。退職金額は、一人あたり平均で500万円~600万円となっています。なお、退職所得の人数については、2006年までしか公表されていません。

退職所得

①人数②支払総額③平均(②÷①)
2000年199.0万人12.4兆円628万円
2001年205.0万人13.7兆円668万円
2002年247.5万人15.8兆円642万円
2003年233.8万人12.9兆円555万円
2004年236.0万人12.9兆円547万円
2005年227.1万人11.0兆円487万円
2006年189.2万人10.7兆円566万円
2007年11.1兆円
2008年10.3兆円
2009年11.0兆円
2010年9.8兆円
2011年9.6兆円
2012年10.0兆円
2013年9.3兆円
「源泉所得税 7 退職所得及び非居住者等」より作成

退職金の相場

 内閣官房「平成25年度 退職手当の支給状況」等により、退職金の相場が分かります。公務員・大企業・中小企業について、それぞれ勤続年数別に退職金の支給状況(大企業は標準者退職金)をまとめてみました。

会社都合退職

勤続年数10年15年20年25年30年備考
公務員796.8万円927.1万円1,738.3万円2,484.8万円3,467.3万円応募認定退職+勧奨。
大企業297.5万円547万円877.6万円1,316.4万円1,804.2万円大学卒。総合職。
204.1万円374.7万円594.5万円921.5万円1,348.8万円高校卒。総合職。
中小企業168.1万円312.5万円508.9万円742.4万円1,020.1万円大学卒。
121.8万円226.2万円374.7万円547.9万円759.3万円高校卒。

自己都合退職

勤続年数10年15年20年25年30年備考
公務員264.0万円551.5万円967.2万円1,452.9万円1,822.2万円
大企業統計データなし。
中小企業124.2万円242.5万円415.4万円638.2万円899.9万円大学卒。
89.5万円175.3万円306.1万円468.8万円655.0万円高校卒。

公務員「平成25年度 表2 勤続年数別退職手当受給者数及び平均退職手当 常勤職員」より作成大企業「2014年9月度 図表1 標準者退職金の支給額および支給月数─総額─」より作成中小企業「平成26年 【表4】モデル退職金」より作成
 統計元データに差異があるので一概には言えませんが、公務員と民間企業、大企業と中小企業の退職金格差は、依然として存在するようです。
リンク
就労条件総合調査|厚生労働省
平成25年 地方公共団体別給与等の比較|総務省

退職金運用定期預金

 退職金を運用するための定期預金を取り扱っている金融機関が数多く存在します。しかも軒並み高金利です。一般的に退職金を受け取って1年以内という条件の定期預金が多く、退職所得の源泉徴収票等の提出が必要となります。
 注意したいのが、投資信託や年金受取予約といった抱き合わせ商品です。特に投資信託については、元本保証でない上に、定期預金金利以上の手数料が必要になる場合もあります。
 また、退職金運用定期預金の大半は、3ヶ月や6ヶ月など預入期間が短く設定されています。定期預金の満期後に、手数料の高い投資信託を勧めてくる可能性が高いので、心の準備をしておいた方が無難です。

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