財務分析ツール「Uチャート」の解説
財務分析ツール「Uチャート」を使った決算書の見方について。
Uチャート分析
- 3つの財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)を「Uチャート」という円グラフを使って分析します。Uチャートの右半分は「in」を、左半分は「out」を示し、「in」と「out」の差額が「残」となります。
- A.Uチャート:貸借対照表
- 円グラフの右半分には、赤色(流動負債)・紫色(固定負債)・黄色(純資産)があります。これらはキャッシュの調達元(in)を意味し、黄色(純資産)が割合が大きいほど、財政状態が良好と言えます。中には、黄色(純資産)が左半分にきているものもありますが、これは債務超過(資本割れ)という危機的な状況を示します。
- 円グラフの左半分には、水色(現預金等)・青色(その他流動資産)・緑色(有形固定資産)等があります。これらはキャッシュの運用先(out)を意味します。
- B.Uチャート:損益計算書
- 円グラフの右半分には、赤色(売上高)があります。これらはキャッシュの調達元(in)を意味します。
- 円グラフの左半分には、灰色(売上原価)・黄色(その他費用)・紫色(当期純利益)があります。これらはキャッシュの消費先(out)を示し、紫色(当期純利益)が割合が大きいほど、経営成績が良好と言えます。中には、紫色(当期純利益)が右半分にきているものもありますが、これは当期純損失(赤字)という状況を示します。
- C.Uチャート:キャッシュフロー計算書
- 円グラフの右半分は、キャッシュの調達元(in)を意味します。円グラフの左半分は、キャッシュの運用先(out)を意味します。
- 右半分(in)に赤色(営業キャッシュフロー)、左半分(out)に黄色(投資キャッシュフロー)と水色(現預金等の増減)がある場合、キャッシュフロー(資金繰り)は良好と言えます。逆に、赤色(営業キャッシュフロー)が左半分(out)にくる場合は、本業が不振と言えます。
Uチャート分析のポイント
- 円の大きさを見る
- 5期分のUチャートの大きさを見るだけで、企業規模のおおよその推移が把握できます。
- 各円グラフの大きさは、BSは総資産、PLは総収入、CFは総キャッシュフローを示します。
- 「残」の大きさを見る
- 5期分のUチャートの「残」を見るだけで、経営成績や財務状態のおおよその推移が把握できます。
- 各円グラフの「残」は、BSは黄色(純資産)、PLは紫色(当期純利益)、CFは水色(現預金等の増減)となります。
- 各色の割合を見る
- 5期分のUチャートの各色の割合を見るだけで、どの科目が増減したのか把握できます。
- 円の大きさや「残」の大きさと同様に、各色の割合(=「in」や「out」の状態)も重要です。
- 5期分の変遷を見る
- 円の大きさ・「残」の大きさ・各色の割合に注目して、5期分のUチャートを総合的に見ると、その企業の財務内容の推移が把握できます。
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